「地方税滞納処分は実情見て」総務省が通知
総務省は先ごろ、地方税法に定められた滞納処分の執行停止を踏まえ、滞納者の実情を十分把握し、適正に執行するよう指示する文書を地方自治体に初めて送付しました。
文書は事務連絡「平成26年度地方税制改正・地方税務行政の運営に当たっての留意事項等について」。地方税法15条の7の2号は、滞納処分をすることによって生活を著しく窮迫させる恐れがあるときなどは、滞納処分の執行を停止できると定めています。事務連絡文書では「(同規定)を踏まえ、滞納者の個別・具体的な実情を十分に把握した上で、適切な執行に努めていただきたい」と指示しています(総務省ホームページで閲覧可能)。
鳥取県が預金口座に振り込まれた児童手当を狙い撃ちした差し押さえ処分が昨年11月、広島高裁で違法と認定され、同県は滞納整理マニュアルの是正に向けて動き始めています。全国中小業者団体連絡会は1月の総務省交渉で、「強権的な滞納処分を厳に戒めるガイドラインを作り、徹底せよ」と要求。総務省側が「(連絡文書の)旨は今まで口頭で通知していたが、文書として通知するのは初めて」と明言していたものです。
地方自治体による中小業者の生活実態を無視した強権的な滞納処分を許さない運動を進める上で、大いに活用しましょう。
全国商工新聞(2014年3月10日付) |