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環境にやさしい商売に挑戦
地域に根ざし頑張る中小業者
地球環境を守る取り組みは待ったなしの課題。持続可能な社会の実現には、地域に根ざしたものづくりやまちづくりに創意工夫できる中小商工業者の役割発揮が求められています。環境にやさしい製品開発や家づくりに挑戦する会員の取り組みを紹介します。
ヒトデを発酵させ堆肥に
地域振興と食の安全図る 北海道・帯広民商 片岡文洋さん
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ヒトデを発酵させてできた堆肥 |
広大な十勝平野で「夢がいっぱい牧場」を経営する北海道・帯広民主商工会(民商)の片岡文洋さんは、「海のギャング」といわれるヒトデを発酵させて堆肥にすることに成功。北海道知事から04年、特殊肥料として製造・販売の許可を受けました。
片岡さんは8年ほど前に地元の大樹町役場水産課で、漁港でヒトデが網に混じり、処理に困っていることを知りました。「牧場の牛ふんと混ぜればうまく発酵して、いい堆肥になるのでは」と思案。早速、帯広畜産大学地域共同研究センターを訪れ、指導を受けて試験を開始しました。
意外にも簡単な作業でヒトデは発酵して堆肥となり、ヒトデ入り堆肥は生育促進効果があるという結果を得ました。町民有志で「大樹産業クラスター研究会」を発足させ、作物栽培試験を経て製品化しました。
また、食肉加工の過程で産出される「牛骨」を高過熱化し、畑作りに必要な三大要素のひとつ「リン」を多く含む「骨灰」作りのプロジェクトを立ち上げ、一昨年3月、共同で特許を取得。諸外国から輸入されている「リン鉱石」と比べても良質な「リン」と注目されています。
研究に余念のない片岡さんは食の安全を守ることにも力を入れています。「自分が育てた肉牛を責任持って食肉加工し、食べてもらう」ために家畜市場に卸す傍ら地域商店や飲食店等に販売。10年ほど前からは当地でレストランも経営しています。また、社会貢献の一環で教育実習生を受け入れ、これまでに1000人余の学生に農業を体験させています。
片岡さんは「農業生産物の大企業の独占化を許さず、あらゆる人びとと交流を深め合い、学習を重ね、命の源である食を地域振興と重ねたい」と話しています。
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