確定申告 ワンポイントアドバイス(2)=消費税申告の注意点
税理士 佐飛 淳一
納税義務の判定は2年前の課税売上高です。
消費税は商品の販売・資産の貸し付け・サービスの提供に課される税金です。医療・教育・福祉の一部や利息・土地の譲渡など非課税となる取引もありますが、通常の商取引にはすべて課税される大型間接税です。
消費税を申告・納税する義務があるのは、事業をしている者(事業者)です。事業規模の大小にかかわらず、原則としてすべての事業者は、消費税を申告し、納税する義務があります。しかし、すべての事業者が申告することは、実務的にも大変ですので、一定規模以下の事業者については消費税の納税義務が免除されます。小規模事業者免税制度です。具体的には、2年前の消費税のかかる売上高(課税売上高)が1000万円以下の場合は免税事業者となり、消費税の申告・納税は不要です。
13年(平成25年)分の消費税の納税義務は、11年(平成23年)の課税売上高が1000万円を超えるかどうかで判定することとなります。1000万円の判定は11年が納税義務者の場合は、消費税を引いた課税売上高で行います。11年が免税事業者の場合は、消費税を含んだ売上高で判定します。課税売上高は現金主義ではなく発生主義で計算します。ただし、免税事業者となっても、12年(平成24年)の1月から6月の期間の課税売上高と支払給与が1000万円を超える場合は納税義務者となります。
免税事業者でも14年(平成26年)に多大な設備投資をして仕入れや経費にかかる消費税が売り上げにかかる消費税より多いと見込まれる場合は、今年の12月31日までに「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出することで、14年分について還付申告をすることができます。
この「届出書」を提出すると、最低2年間は申告義務が生じます。また帳簿および請求書などの保存義務もついてきます。課税事業者の選択はよく考えて行いましょう。3年目から免税事業者に戻るためには「課税事業者選択不適用届出書」をその前年の12月31日までに税務署へ提出しておく必要があります。
また12年の課税売上高が5000万円以下の方で、14年分以降の消費税申告について簡易課税制度を利用したい方も、今年の12月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出する必要があります。
消費税の各種届け出については、誤りやすいのでよく相談してください。
また提出期限などについてもよく注意してください。
全国商工新聞(2013年12月16日付) |