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第2回 どのようなときに「納税の猶予」に該当するのか―猶予の該当範囲は? 延滞税免除は?
前回は「納税の猶予等の取扱要領」(以下「取扱要領」)の概要、納税者が活用すべき積極的な規定、「取扱要領」を活用した各地の運動の到達点などを紹介しました。
これから納税の猶予制度を2回に分けて解説します。ポイントを分かりやすく一覧表にまとめてみました。表を見ながら読み進んでください。
■「納税の猶予」は2種類
納税の猶予は災害、事故、病気、業績の悪化などの事実に起因して納付困難になった場合の「通常の納税の猶予」と、税務調査で数年分の修正申告を一括提出したといった「税額の確定手続等が遅延した場合の納税の猶予」(通称「賦課遅延」)に区分されます。
いずれの場合も「納税の猶予の申請書」を提出しなければなりません。特に「賦課遅延」の場合は、納期限内の申請が条件ですので注意が必要です。
■貸倒れも「納税の猶予」の該当要件に
ここでちょっと注意を要するのは3段目にある「一、二号類似」です。よくあるケースとして、取引先からもらった手形が不渡りになるなどの「貸し倒れ」も「一、二号類似」に含まれるということです。
■「事業につき著しい損失」も大いに活用を
また「四号」の「事業につき著しい損失」については、原則は「1年前と比べて利益が半減以下(又は赤字が増加)」ですが、「取扱要領」ではさまざまな弾力条項を設けて、猶予該当を増やす方向を示唆しています。大いに活用する必要があります。
納税の猶予許可の段階で、その納税者に一定の「現在納付可能資金」(算定方法は後述)がある場合は、その金額を猶予該当金額から控除し、「納付困難な金額」だけを納税の猶予の対象としますので、この点も注意が必要です。
■延滞税の免除
「一、二号該当」(類似も含む)の場合は、「納付困難の起因となった事実発生日から猶予期間の終期まで」は全額免除ですので、メリットは大です(ただし、免除期間は2年が限度)。
「三、四号該当」(類似も含む)の場合は、猶予期間について2分の1免除となります。「2分の1免除」とは、本来は14・6%の2分の1(7・3%)を納付すればよいということですが、現在は措置法の特例によって、4・7%(平成20年の場合)となります。
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