確定申告のワンポイントアドバイス (2)青色申告とは
■白色申告と青色申告の違い
所得税の申告に関して、青色申告制度というものが、1950年に導入されました。
青色申告は、税務署に届出(※)をすれば、白色申告と比較して、表1のような「特典」を受けることができます。
しかし、そもそも青色申告の届出をしなければ、生計を一にする親族に支払う給与が経費として認められないというのは、おかしな話です。
■帳簿の記載について
2014年1月以降、白色申告でも帳簿の備え付けが義務付けられました。
よく「白色は簡単な記帳でよくて、青色申告は、簿記で習う複式簿記でないとダメだから」という声を聞きますが、そんなことはありません。所得税法などでも「複式簿記」という言葉は出てきません。確定申告で提出する書類の違いはありますが、事業に関する取引を記載した現金出納帳や売掛帳などがあれば大丈夫です。
■年の途中から青色申告を選択できるか
青色申告の特典は、年の途中から選択することはできません。特典を受けようとする年の3月15日までに、青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。
また、家族や従業員(青色事業専従者)の給与の経費算入も同様に届出を提出しなければなりませんので、注意が必要です。
青白どちらを選ぶかは、それぞれの特徴を表2で比較しましたので、参考にしてください。
■帳簿と消費税
帳簿・記載内容については、消費税も関係します。消費税法は、売上高に含まれるとされる8%の消費税から、仕入れなどの8%分を控除(マイナス)して申告します。ただし、仕入れなどを控除するための要件として、請求書等の保存だけでなく、帳簿の記載も必要なため、少々面倒です。
この手間を減らすために、売上高に一定の割合を乗じて、税額を決める簡易課税という制度があります。2年前の売上高が5000万円以下であれば、使うことができます。こちらは、請求書等の保存や帳簿の記載要件がありません。
簡易課税制度は申告も簡単で節税効果も高いといわれていますので、一度検討されてみるのもよいでしょう。
(※)税務署に届出を行い、承認を受け定められた帳簿を作成することが要件です。
全国商工新聞(2017年12月18日付) |