税務調査で是認 記帳学習会を力に=名古屋
愛知・名古屋東部民主商工会(民商)会員で美容院と下着販売店の2店舗を経営するWさんは5月16日、千種税務署から「更正決定等をすべきと認められない旨の通知書」(本人の申告を認める是認通知)を受け取りました。Wさんは「きちんと帳面を付けていたからたたかえた。うれしい」と喜んでいます。
Wさんは昨年7月下旬、平成21、22、23年分の所得税と消費税についての税務調査を受けました。民商の高橋達会長や名東支部の役員らが調査に立ち会い、Wさんを支援してきました。
民商の記帳学習会で学んでいたWさんは、帳面付けに自信がありました。帳簿書類を提示し、計4回の税務調査に臨みました。
最後の回となった12月中旬に税務署員は、源泉所得税と経費計上について「誤りがある」と言い、100万円の修正申告を迫りました。
Wさんは「自分の記帳は間違っていないので、修正申告には応じられない。何が間違っているのか書面で具体的に明らかにしてほしい」と強く要求。税務署員は「もう一度調べ直す」と帰りました。
その後、取引先から、「税務署がWさんの件で調査をしたいと連絡してきた」との知らせが入りました。
Wさんはすぐに支部役員に相談。12月下旬に税務署に「営業妨害の横暴な反面調査をするな」と抗議しました。
応対した統括官は「新しくなる国税通則法(13年1月施行)の下では、調査対象者に結論を示した後に(反面)調査をすることはあり得ない」と答えました。
しかし、12月下旬、税務署は反面調査を実行。Wさんは、民商と一緒に厳しく抗議しました。
今年5月に入り、税務署員から「これで調査を終わります」との電話連絡とともに、16日には是認通知が届きました。Wさんは「役員の皆さんの立ち会いで安心して調査に応じることができた」と話しています。
全国商工新聞(2013年6月17日付) |