3・13重税反対全国統一行動中央実行委員会のアピール
国民のみなさん
3・13重税反対全国統一行動は、平和で安心して働き生きることを願う団体・個人が、重税反対の一点で団結して1970年に開始しました。41回目を迎える2010年は3月12日を統一行動日として行われます。毎年、全国約600カ所、約20万人が参加し、財務省・国税庁・税務署などに重税反対と税務行政の民主化を求めて要請を繰り広げ、「納税者の権利を守れ」「税金は、応能負担で。生活費に課税するな」「消費税大増税は許さない」などの世論を広げてきました。この間、地方自治体との交渉も旺盛に取り組み、人権無視の徴収や差し押さえに対し、住民を守る全国的な怒りの行動を展開しました。
来るべき参議院選挙では、庶民増税や将来の消費税増税の是非、税と社会保障のあり方が大争点となります。「国民のための税制はどうあるべきか」について、大いに国民的議論を巻き起こしましょう。
労働者、中小業者、農民、年金生活者、女性、青年、すべての国民が立ち上がり、「庶民大増税・消費税増税阻止、庶民減税の実現、納税者権利憲章の制定、憲法改悪反対、最低保障年金の実現、社会保障の拡充を、格差と貧困の拡大反対、価格保障・所得保障を制定し農産物自給率を大幅に引き上げて食の安全を、リストラをやめて内需を拡大し働くものの暮らしと仕事の確保を」の声を大きく広げようではありませんか。今回の3・13重税反対全国統一行動を2010年の運動の大きな節目と位置づけ、要求実現を図る跳躍台にしていきましょう。
国民のみなさん
先の総選挙では、国民に「自己責任」と「貧困・経済格差」を押し付け、ルールなき資本の身勝手を推進した自民党・公明党を政権から退場させました。民主党を中心とした新たな連立政権は、生活保護の母子加算の復活や「中小企業者等金融円滑化法」「肝炎対策基本法」「原爆症基本法」などの実施では、国民本位の政治の実現を図っています。しかし、その一方で、後期高齢者医療制度廃止や普天間基地撤去問題を先延ばしするなど、公約からの重大な後退もみられます。納税者権利憲章の制定も、「1年かけて検討」するとしていますが、具体策が見えません。
日本の貧困率は15・7%と異常な事態です。円高とデフレの進行で、国民生活は世界的な金融危機から1年あまりたった今でも大変な状況となっています。失業者の増加は昨年の派遣切りの再来を予感させます。中小業者は仕事が激減し、全商連婦人部協議会の調査では、6割以上が本業では生活できない状態です。
国民のみなさん
国民生活を守るために、政府は選挙公約に従って、輸出大企業中心の政策を改め、内需拡大をめざし、消費税率の引き下げや本格的な景気対策・雇用対策を早急に実施すべきです。
鳩山内閣の「事業仕分け」では、「聖域なし」といいながら、軍事費の主要部分や政党助成金の削減は議論の対象にもしていません。消費税は「4年間引き上げない」といっていますが、社会保障財源を口実に、消費税増税の地ならしを進めようとしています。「平成22年度税制改正」では、子ども手当の新設と引き換えに、扶養控除・特定扶養控除の廃止・縮小がもくろまれ、多くの世帯で増税が生じます。庶民増税を財源にした給付では、新たな矛盾を引き起こしてしまいます。
社会保障や子育て支援の財源というなら、30%まで引き下げてきた法人税率や、40%まで引き下げてきた所得税の最高税率、株でいくらもうけても10%の税率ですむという証券優遇税制をやめることです。1998年からの10年間で、企業の内部留保は209・9兆円から428・6兆円と倍増しました。そのうち大企業(資本金10億円以上)の内部留保は255兆円以上に上り、内部留保を活用すれば雇用増と賃上げが十分に賄えます。
いまこそ、行き過ぎた大企業・大資産家優遇の減税を見直すべきです。応能負担の原則に基づく国民本位の民主的税制への転換により、消費税の増税なしに社会保障を再生する道が開かれます。太陽光発電などのグリーンニューディール政策をはじめ政府、地方自治体あげて中小企業と地域経済の振興策を探求し、内需振興の経済政策を強力に推進すべきです。
このような趣旨に賛同していただき、全国各地の実行委員会への参加を広げ、運動の前進を心から呼びかけるものです。
2009年12月25日
3・13重税反対全国
統一行動中央実行委員会
|