「個人情報」開示の審査請求で勝利裁決=別府
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別府税務署の不当な処分の取り消しを決定した国税庁の裁決書 |
税務調査で一方的に修正申告を押し付けられた上、税務署がその算出根拠を「不開示」決定した問題で、大分・別府民主商工会(民商)のSさん=飲食=は先ごろ、「保有個人情報」の開示を求めて国税庁に審査請求し、別府税務署の処分の取り消しをかちとりました。
この裁決を受けて開示された資料を見た佐藤さんは、「実態とはかけはなれた数字が並んでいる。民商と相談して、税務署に申し入れたい」と話しています。
佐藤さんが税務調査を受けたのは昨年10月のこと。
初めての調査で勝手が分からず、「売り上げをごまかしている」と2人の署員にどう喝され、「毎日1万円の売り上げ漏れ」を認める文書にやむなく押印しました。
税理士に相談しましたが「5000万円ぐらいの税金になる」と突き放され、署員からは「今、修正申告書に印鑑を押せば700万円まけてやるが、来年まで延ばしたら700万円増える」と脅され、約3000万円の追徴課税となる申告書にしぶしぶ押印しました。
納得がいかない佐藤さんは知人の紹介で民商に相談し入会。2月に「収入金額の根拠を示す文書」と「所得金額の算出根拠となった収支内訳書または損益計算書」を開示するよう税務署に保有個人情報の開示を請求しました。
しかし税務署は「特定の法人または個人の情報が含まれているため」などの理由により「不開示情報に該当する」と回答。佐藤さんは6月、「収支内訳書または損益計算書は開示請求者が知ることが予定されている情報である」として国税庁長官にあてて審査請求をしました。
9月29日付けで届いた国税庁長官からの裁決書では「これを開示しても(中略)税務行政の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとは認められない」とし、01年から07年分の貸借対照表と損益計算書を「開示すべきである」ので、税務署の「処分を取り消す」と裁決しました。
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