追徴になった市民税と国保税 申請型換価の猶予実現=群馬・前橋民商
交渉し市で初の適用に
税務調査で所得税が追徴になったことに伴って発生した市民税と国民健康保険(国保)税の申請型「換価の猶予」を前橋市に求めていたIさん=外壁工事=は7月6日、「換価の猶予許可通知書」を受け取りました(地方税法第15条の51項 申請による換価の猶予)。前橋市で申請型「換価の猶予」が認められたのは初めて。「民商の仲間と一緒だったので、粘り強く交渉することができた。実現して良かった」と話しています。
Iさんは6月10日に開かれた前橋民主商工会(民商)の総会で妻とともに、「『換価の猶予』を必ず実現する」と決意を語っていました。
Iさんに税務調査の連絡があったのは昨年5月。知り合いに勧められて前橋民商に入会し、納税者の権利や税務調査の心得などを学びました。
調査は2014年から16年までの所得税が対象でIさんは帳簿や申告を見直して調査に臨み、支部長=トリマー=が最後まで調査に立ち会いました。
調査では経費の取り違いなどが指摘され、所得税が追徴になりましたが、Iさんは納得して調査を終え、11月22日に修正申告をしました。
納税については高橋支部長や事務局員とも相談し、税金滞納がなかったため、「換価の猶予」を申請して、1年の分納が認められました。ところが、修正申告に伴って市民税と国保税を合わせて100万円以上の納付が発生。今年1月末に通知を受け取ったIさんは、申請による換価の猶予を申請しましたが、前橋市収納課は「2年以内の完納の見通しが見込まれない」と一方的に判断し、換価の猶予申請を「みなし取り下げ」(国税通則法46条2の9)処分としました。
民商は5月24日、前橋市と交渉し、Iさんも参加して、みなし取り下げ処分について抗議。国税庁の「納税の猶予等の取扱要綱」を示して「申請型換価の猶予は2年まで延長することができ、その期間を過ぎても市長の職権で換価の猶予が継続できる。2年以内の完納を適用条件にするのは誤り」と指摘。市は職権で換価の猶予が延長できることを認め、「2年以内の完納を条件にしていない」と回答し、「換価の猶予」を認め、1年間分納できるようになりました。
全国商工新聞(2018年8月6日付) |