更正処分で再調査請求 2年で169万円が減額=岩手・胆江民商
仲間に励まされ
更正処分を不服として再調査の請求をしていた岩手・胆江民主商工会(民商)の今野清悦さん=建設=は先ごろ再調査が終了し、2013年分と2014年分の所得税合わせて169万円が減額されました。
「更正処分を含めて4回提示された税額で最も低かった。民商の仲間に支えられて乗り越えることができた。税務署は謝罪し、二度といい加減な調査をしないでほしい」と訴えています。
今野さんが水沢税務署から税務調査の連絡を受けたのは2015年7月。2012年から3年分の調査が8月から開始されました。
三度にわたって異なる所得額が提示されるなど課税根拠はあいまい。また、記帳補助者として立ち会いを続けていた胆江民商の瀧塚栄二副会長に対して、署員が「公務執行妨害か」と暴言を吐いたため、何度も税務署に抗議しました。
2016年10月、三度目に提示された所得額の内容についてあらためて説明を受け、今野さんは減価償却費などが経費に入っていないことを指摘し、「このままでは応じられない。経費を認めてほしい」と訴えると、税務署からの連絡が途絶えてしまいました。
それから8カ月が過ぎた2017年7月6日、担当者はこれまでの調査結果を投げ捨て「仕入れだけは反面調査で金額が確認できた。それを基に同業者の比率を算出し売り上げと経費を推計し、利益を確定した」と述べ、2000万円の売り上げを上乗せして課税すると説明。「7月20日までに修正申告に応じない場合は、更正処分となる(税務署の職権で所得額を確定させ、課税すること)」と迫りました。
翌日、今野さんは永山哲事務局長と一緒に「納得できない。相談したい」と要請。担当者2人は「3日後に転勤する。もう会う時間は取れない」と無責任な対応に終始し、後任の担当者も納税者の権利を無視し、今野さんに説明をする姿勢は見られませんでした。
「納得できない修正申告に判を押すことはできない」と修正申告を拒否した今野さんは更正処分を受けることになり、同年11月、更正処分を不服として再調査を請求。4カ月にわたって再調査が行われました。
胆江民商は県連の支援も受けながら再調査の口頭意見陳述をし、役員や支部の仲間が今野さんを励まして支えました。
再調査では担当者が内容や理由を丁寧に説明するなど、当初の調査とは全く違って今野さんの納得の上で進められ、今野さんは再調査の結果を受け入れました。
全国商工新聞(2018年6月4日付) |