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税務調査 是認と還付勝ち取る=岐阜・岐阜北民商
仲間の立ち会いが力 「消費税は預かり金」に抗議
民商の仲間とともに税務調査を乗り超えた岐阜北民商の長屋さん
税務調査を受けていた岐阜北民主商工会(民商)の長屋秀希さん=外壁工事=は12月20日、納得して調査を終了しました。所得税は計算違いが見つかり、2年分は追徴になりましたが、1年分は「是認」となり、消費税は還付になりました。調査の中では署員が「消費税は預り金」と発言したことについても抗議し、総務課長に謝罪させました。
総務課長が謝罪
調査対象になったのは平成26(2014)年から3年間。1件の売り上げ集計漏れと一つの経費の算入誤りが確認され、27年分と28年分の所得税は追徴になりましたが、26年については本人の申告が認められて「是認」となりました。また、本則課税で申告している消費税は、経費(仕入れ控除)の算入漏れが見つかり、払いすぎた分の還付を受けました。「初めての調査で『どうなってまうんやろう?』と不安やったけど、何回も役員に立ち会ってもらって本当に心強かった。税務調査になれば有無を言わせず税金を取られると思っていたけれど、税金が還付されて驚いた。民商に入っとって良かった」と長屋さんは笑顔を見せています。
岐阜南税務署から税務調査の事前通知を受けたのは2017年8月2日。すぐに岐阜北民商に連絡しました。
民商では長屋さんと同時期に調査になったもう一人の会員と一緒に二度の対策会議を開き、「納税者の権利」を学びました。
調査は10月18日から始まり、毎回、伊藤次雄会長をはじめ複数の役員が立ち会い、税務署員が同席を認めない資料提示の時は隣室で待機しました。
問題になったのは12月15日に行われた調査です。担当する2人の税務署員が口をそろえて「消費税は預り金です」と言い切りました。立ち会った足立和義副会長らが撤回を要求しましたが全く改めようとせず、長屋さんと足立副会長ら3人はその場から岐阜南税務署に行き抗議しました。
驚いたことに応対した総務課長も「消費税は預り金だと承知している」と表明。足立副会長は「国会では『消費税は預り金ではない』と回答しているし、裁判の確定判決でもそうなっている」「岐阜北税務署とも『消費税は預り金ではない』と毎年確認している」と総務課長の認識を批判しました。
「ちょっと確認させてください」と退席した後、席に戻ってきた総務課長は「ご指摘の通り、消費税は預り金ではありません。申し訳ありませんでした」と謝罪。「総務課長を含め税務署ぐるみで『消費税は預り金』と認識していたことが明らかになった。誤った認識を正せ」と強く求めました。
全国商工新聞(2018年2月5日付) |