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納得の税額で調査終了 「進行年度調査は違法」=新潟民商
請願書提出し交渉
違法な税務調査を受けていた新潟民主商工会(民商)の田代直樹さん(仮名)=ドライブイン経営=は民商の仲間とともに新潟税務署に抗議し、11月22日に調査を終えました。総務課長は違法調査の誤りを認めました。
調査結果は、売掛金の計上時期がずれていたこと(期ずれ)と車両の減価償却の計上漏れが見つかり、2万円が追徴になりましたが、同額の還付があり、実質ゼロに。「『税務運営方針』や『請願法』などを学んだおかげで違法調査を受けずにすんだ。隣室で民商の仲間が見守ってくれていたので心強かった」と喜びを語っています。
新潟税務署から田代さんに連絡があったのは9月初旬。2014年から16年までの3年間の所得税と消費税の調査をしたいと告げられました。すぐに新潟民商に連絡し、相談に乗った伊藤隆副会長は「税務調査は『税務運営方針』に基づいて納税者の理解と納得を得て行わなければならない。民商の仲間と一緒に調査を乗り越えよう」と励ましました。
9月14日に1回目の調査が行われ、事務局員が立ち会いましたが、署員は認めようとせず、隣室で待機することに。署員は帳簿類を調べていましたが、午後になって突然、調査権限のない本年29(2017)年度の記録の提示を要求。民商の会費の領収書を見つけると「民商との関係は何ですか。民商が何をしてくれるんですか。業務に関係ないものは経費になりません」と言い出しました。
田代さんは「記帳の相談や労働保険の手続きをしている」と答えましたが、署員は発言を訂正せず、「次回の1日で終了するとは言えません」と威圧的な態度を取って帰っていきました。
田代さんは民商でパソコン記帳を学び、自主申告を貫いていましたが、初めての調査に「民商の会費が経費でないのであれば、他の経費も認められず、調査がいつまでも続くのではないか。もう商売を続けられない」と不安を口にしました。
民商では請願書を提出することをアドバイス。田代さんは野上昇会長をはじめ役員、事務局員と一緒に9月28日、新潟税務署に「人権侵害の税務調査の中止を求める請願」を提出しました。総務課長は民商の会費が経費になることを明確にせず、「後日、担当署員から説明させる」と答えました。
民商会費は経費
その後、担当署員は請願書に回答せずに調査の日程を決めようとしたことから田代さんは激怒。10月19日に野上会長らと再度、新潟税務署へ出向き誠意ある回答を求める請願書を提出。対応した総務課長は「民商の会費は経費です」「29年度調査は違法です」との回答を得ました。
その後も、担当署員は言い訳に終始したため、田代さんは担当署員の交代を要求。統括官が調査に当たり、示された税額に納得した田代さんは修正申告をしました。
全国商工新聞(2017年12月18日付) |
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