住民税徴収決定通知書 記載反対の声広げ
「共通番号いらないネット」と全国商工団体連合会(全商連)も参加する「マイナンバー制度反対連絡会」は11月24日、マイナンバー情報交換交流会を開き50人が参加しました。
「住民税の特別徴収税額決定通知書」(決定通知書)へのマイナンバー(個人番号)記載に反対運動が広がる中、この間の各団体の運動を交流し、今後のたたかいに生かそうと開かれたもの。4団体が報告しました。
神奈川県保険医協会は「県内の33自治体のうち3自治体を除いて番号が記載され、そのうち8割が普通郵便で送られていた。来年度の決定通知書に番号を記載しないことを求める陳情書を12月議会に提出した。地域から声を上げることが必要」と訴えました。
税経新人会は、東京23区と関東圏の人口20万人以上の56自治体に番号記載のアンケートを送り、「40自治体から回答させた」ことなどを紹介。「日本税理士会連合会(日税連)が平成30年度税制改正に関する建議書で番号を記載しない扱いとすべきであると記述した」と運動の成果を強調しました。
全商連は決定通知書について全国調査を実施し、「1741自治体のうち1130自治体から回答が寄せられ、一部不記載、不記載、アスタリスクを合わせると15・74%を占め、6都府県では過半数の自治体が不記載だった」と報告。さらに自治体交渉の場で不記載の決定通知書を発行させた民商の取り組みや、所得税の扶養控除を受けるために年金受給者が提出する申告書について「番号未記載でも申告書は受理し、罰則や不利益がないと明言させた」ことを紹介しました。
個人番号の利用停止、個人番号削除、慰謝料を求め「マイナンバー違憲訴訟」でたたかっている弁護士から「決定通知書への番号記載は個人のプライバシー権、情報コントロール権を侵害するもの。国は、人為的ミスは制度とは別問題と主張しているが、運用面を含めていかに問題がある制度かを裁判で主張したい」と訴えました。
交流会では、インターネットのサーバーで操作・管理する「会計ソフトのクラウド化」の問題点も話題になり、「国税庁がクラウドを利用した税務行政を進めようとしている」「申告納税制度が脅かされる危険性がある」ことなどが指摘されました。
全国商工新聞(2017年12月11日付) |