税務調査 納得の税額で終了 立ち合いを力に=長崎・東彼民商
事前通知なしに抗議
長崎・東彼民主商工会(民商)の榊原良之さん(仮名)=建設=は9月20日、税務調査を終え、納得して修正申告をしました。売り上げ計上漏れによって3万3600円の消費税が追徴、法人税はゼロでした。「言いたいことを言えて、納得いく内容で調査を終えることができた。これで仕事に専念できる」とホッとした表情を見せています。
武雄税務署から榊原さんに電話が入ったのは2月16日。「社長さんに聞きたいことがあるので伺いたい。せいぜい1時間ほどですので、都合をつけてください。その時、総勘定元帳を用意してください。場合によっては3年間見る場合もあります」と言われました。
榊原さんは何のために来るのかよく分からず、「もしかしたら税務調査なのか」と不安になり、民商に電話を入れました。翌日、民商の事務所から税務署に連絡したところ「税務調査」であることが初めて伝えられました。
民商ではすぐに対策会議を開き、「納税者の権利宣言」(第4次案)や「税務調査について10の心得」を使って学習し、榊原さんは税務調査をする時は国税通則法に基づいて税務署は納税者に対して11項目の事前通知をしなければならないことを学びました。
役員らのアドバイスを受け、2月27日と6月21日の2回にわたり「国税通則法の事前通知を無視した違法な税務調査に抗議する」請願書を提出。適正手続きに反した調査を中止することを求めました。
▲「税務調査について10の心得」 PDF
1回目、2回目の調査では署員は事前通知をしなかったことを認めようとしませんでしたが、3回目の調査の時、署員と統括官がやってきて「税務調査であることが伝わっていなかったことは今後、気を付けます」と述べ、その言葉を聞いて榊原さんは、役員や事務局員の立ち会いの下で調査を受けることにしました。
資料調査は4回、6時間かけて行われましたが、しっかりと記帳していたため、売上計上漏れが1件指摘されただけで調査は終了。統括官から調査結果を文書で提出させました。
◎「納税者の権利宣言」(第4次案)はこちら
全国商工新聞(2017年11月6日付) |