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税務調査対策は民商で 会議開き経験交流=滋賀・草津甲賀民商
事前通知求めよう
税務調査の対象者を励ました草津甲賀民商の調査対象者交流会
滋賀・草津甲賀民主商工会(民商)は9月11日、「調査対象者交流会」(税金対策部会主催)を開き、調査になった3人を含め14人が参加しました。
陌間康弘税対部長が税務署の動きや税務署交渉の結果を報告し、山ア忠清会長が税務調査の対応についてアドバイス。税務署から対象者に連絡がきた様子などを報告しました。
調査の相談で入会した谷内和也さん(仮名)=機械製造=は、病院で手術・リハビリを行っている時に税務署から携帯電話に電話がかかってきました。「税務署から本当に入院しているのか、いつ退院するのか」などを聞かれ、留守の自宅を訪問し、銀行に反面調査をしたことも分かり、不安になって知り合い(会員)に勧められて民商に入会しました。
再入院のことを税務署員に連絡すると「時間がつくれないなら勝手に進めると言われたけれど、民商に相談していると伝えると退院してから連絡をくださいと対応が変わった。生活の見直しも含めて民商の仲間と一緒に申告したい」と谷内さんは話しました。
岡平一敏さん(仮名)=鉄筋工事=は「税務署員が電話をしてきたが、現場で受けたためメモもできずに声も聞きとれなかった。はっきり言ったのは日時だけメモしてということだけだった」と発言。役員からは「事前通知は納税者に伝わらないと意味がない。調査に立ち会い、再度、事前通知を求めよう」とアドバイスしました。
平田肇さん(仮名)=建材販売=は署員とのやりとりを紹介。草津税務署からの電話で「税務調査になりましたので、ご主人に連絡していただけますか」と言われた家族が「本当に税務署ですか? 最近電話での振り込め詐欺が増えているので信用できません。前回(10年前)は文書で通知をもらったのに、なぜ今回は、電話なのですか? 信用できないので文書で通知してくださいと言って電話を切った」と報告すると参加者からは、「すごい」「見習わんとあかんなぁ」との声が上がりました。
大西秀治支部長=電気工事=は「11年前に調査に入られた時、民商の仲間が立ち会ってくれた。署員は税務署に来て話をと言ったが、最後まで仲間の立ち会いの下で調査を受け、納得して終えることができた。最後まで民商の仲間と一緒に頑張ってほしい」と激励しました。
調査対象者の3人は、「話を聞いて1人じゃないと安心した」「みんなに立ち会ってもらって乗り越えたい」と話していました。
「みんなで支えたい」=岐阜・岐阜北民商
岐阜北民商が開いた税務調査対策会議
岐阜北民主商工会(民商)は9月7日、税務調査対策会議を開きました。調査になった2組の会員夫婦をはじめ調査経験者、民商、支部役員など15人が参加しました。
盆前に2人の会員に対して税務調査が通知されました。しかし、最も肝心な「調査理由(調査の対象に選定した具体的な理由)」を説明されず、国税通則法に定められた事前通知が行われたと言える状況ではありませんでした。
対策会議では調査を通知された2人が税務署から電話で連絡があった時の様子や、その後の税務署とのやり取りなどを報告。2人とも不意に税務署から電話が入り、メモを取ることもできず税務署員の名前や調査期間をはっきり覚えていませんでした。
民商に相談した後、2人は「税務調査チェックシート」を横に置いて税務署に電話して「事前通知」の内容を確認したところ、調査理由について何も説明されませんでした。
「自主計算パンフレット」(全商連作製)を使って「税務調査の10の心得」を学習。鳥本祐介税対部長や調査を経験した役員が経験談を話し、調査対象者は疑問や不安に思っていることを尋ねました。
「税務署員が調査に来る日を具体的に決めてくる。どう対応したらいいのか」との質問に対して調査経験者は「任意調査だから、税務署の言う通り対応しなくても大丈夫」と口をそろえ、調査対象者を励ましました。
鳥本税対部長は、「私もそうやったけど、初めての調査は本当に不安になる。調査が終わるまで、みんなで支えたい」と話していました。
全国商工新聞(2017年10月16日付) |