住民税特別徴収通知書 抗議の集団返還行動に「消去して返送」を市が約束=山形・鶴岡民商
従業員の番号記載するな
山形・鶴岡民主商工会(民商)は7日、マイナンバー(個人番号)が記載された「住民税の特別徴収税額変更・決定通知書」を鶴岡市に集団で返還しました。遠藤強副会長をはじめ13人が参加。怒りを込めて番号不記載の決定通知書の再送付と来年度の番号不記載を要求しました。
応対した課税課長は「意見を真摯に受け止め、今回返還した事業所に対して番号を消した決定通知書の写しを送付させていただく予定」と回答しました。
返還行動では「従業員が番号を提供していないのに、市が勝手に事業者に教えるのは労使関係に悪影響が出る」「番号管理の押し付けであり、事業者にとって過大な負担になる」「本人の断りもなく番号を事業者に知らせるのはプライバシー権の侵害」と参加者の怒りが噴出。「番号記載は説明会を開いてきた手前、記載しなければ信用を失う」との説明に対して「番号を使わないと決めた従業員への信用は失ってもいいのか」とさらに怒りがヒートアップ。課長は「出された意見を市長や総務課長らにしっかり伝える」ことを約束しました。
民商では4月10日に課税課と交渉し、決定通知書への番号記載は漏えいの危険性があることなどを指摘。番号不記載でも国からのペナルティーがないことを確認し、決定通知書に個人番号を記載しないことを求めました。しかし、市は要求に背を向け、「国の指示に従い、番号は記載して送る」ことを決定しました。
鶴岡民商ではすぐに従業員がいる会員に向けてチラシを作り、「通知書には個人番号が記載されている」「厳重な管理を求められる書類なので取り扱いは要注意」と伝え、「番号を扱っていない事業所は、集団返還行動に参加しよう」と呼び掛けました。
参加者は「写しとはいえ、不記載で決定通書知を再送付されるのは、われわれの運動が反映したもの」と確信を深めました。番号管理に不安を感じている事業者に今回の結果を広く知らせることにしています。
全国商工新聞(2017年6月19日付) |