学習会で税務調査の経験交流=岩手・一関民商
納税者の権利学んで不当な税務調査正そう
岩手・一関民主商工会(民商)藤沢支部は5月12日、「税務調査学習会」を開き6人が参加しました。強権的な税務調査が横行する中で納税者の権利を学び、自らの商売を守ろうと開いたものです。
一関民商藤沢支部が開いた税務調査学習会
学習会の開催を提案し、税務調査を経験したSさん=土木建設=が自らのたたかいを報告。
2014年5月から2015年7月までの長期にわたる調査で、特段のミスや不正が見つからなかったにもかかわらず、担当調査官はSさんを「脱税犯」に仕立て上げるため上司にウソの報告をし、取引先や顧客14件に反面調査を強行。Sさんの信頼は大きく失われましたが、税務当局の嫌がらせに屈せず、民商の仲間とともにたたかい抜き、一関税務署は最終的に謝罪。追徴どころか税金の還付が発生し、完全勝利をしたことを力強く話しました。
参加者は「どうして無理やり税金を取ろうとするのか」「誰のため、何のために税務署はあるのか」と怒っていました。
「自主計算パンフレット」(全商連作成)などを使っての学習では、税務調査は「任意調査」であり、納税者の権利尊重が求められ、調査官の権限は大きく制約されることなどを学びました。
Kさん=林業=が「任意調査にもかかわらず、犯罪の取り調べのような扱いを受けるのは違法ですよね」と質問。任意調査では納税者の都合で調査日程を変更できることや、帳簿・資料等の持ち去りやコピーを拒否できることなどを確認し合い、Kさんは「調査官に絶対服従するものと思っていたけれど、そうではないんですね。安心しました」とほっとした様子でした。
「国税通則法」に「国税犯則取締法」(犯則事件の根拠法)が編入され、任意調査の強権化が狙われていることについても学習。日ごろから自主記帳を進め、お金の流れを正確に把握しておくこと、税務署とも臆せずにたたかうためにも民商を強く大きくすることを確認。
Aさん=林業=は「税務調査のことを学んで本当に良かった。民商以外の業者にも納税者の権利を広めていきたい」と話していました。
全国商工新聞(2017年6月12日付) |