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住民税 特別徴収決定通知書 マイナンバー記載やめよと交渉し、7市町村で「見直し検討」=愛知・津島民商
法的根拠ないと迫り
あま市に申し入れをする津島民商の役員ら
愛知・津島民主商工会(民商)は1月30、31の両日、活動地域の7市町村すべてを訪問し、住民税の特別徴収決定通知書(特別徴収義務者用)にマイナンバー(個人番号)を記載する方針を撤回するように求めました。全自治体が番号記載の見直しを「検討する」と答え、津島市や愛西市、大治町は「給与支払報告書に番号を記載していない事業所・個人に対しては、通知書に番号を記載しない方向で検討する」と回答。さらに愛西市は「書留で郵送する方向」を示しました。
申し入れには会員、役員延べ15人が参加。(1)通知書に個人番号を記載して送付することに法的根拠はないのでやめるべき(2)個人番号を預かっていない事業所にまで自治体の側から個人番号を通知することは、プライバシー保護の観点からもやめること(3)マイナンバー未記載の申告書や申請書に対する窓口の取り扱いを円滑にすること―の3点を重点に要請しました。
問題になったのは、通知書に番号を記載することについて、全自治体が番号法19条を法的根拠に挙げたことでした。この条文は、個人番号の提供の禁止とその例外を定めたもので、1項では個人番号利用事務実施者(市町村)は「必要な限度」で個人番号関係事務実施者(事業者)に番号を提供することができるとしています。
「これは『できる規定』であり義務規定ではない。通知書への番号記載はしなければならないことではない」と追及すると、多くの自治体が「義務ではない」「確かに義務とは書いていない」と認めました。総務省が送付した事務連絡(昨年11月)が通知書の番号記載が義務であるかのように書かれており、「総務省の指示で当然やるべきと思ったが、再度、考えてみる」との発言もありました。
さらに「市町村として特別徴収事務を処理する上で、通知書に個人番号を記載する必要性があるのか」と質問したところ、全自治体が「実際には必要ない」と回答。「市町村が必要ないとする以上、個人番号は提供してはならない。一方的に番号を記載する方針を見直してほしい」との要望に対して全自治体が「検討する」と答えました。また「個人番号を勝手に記載するのであれば特別徴収を辞退したい」という事業所に対し、「現時点では特別徴収を保留にしている」と答えた自治体もありました。
申し入れでは「従業員が事業者に知らせないのに、市町村が従業員の個人番号を事業所に知らせることは、従業員から見れば個人番号の漏えいであり、事業所から見れば個人番号の押し付け。罰則まであって大迷惑だ」と訴えました。
個人番号未記載時の受付については、「マイナンバーの記載がなくても書類は受け取る。差し戻しや返戻、督促はしない」ことを全自治体で確認しました。
全国商工新聞(2017年3月6日付) |
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