全商連が総務省にヒアリング=住民税特別徴収通知書「マイナンバー不記載でも自治体にペナルティーなし」
全国の市町村が2017年度以降の住民税「特別徴収税額の決定・変更通知書」に従業員のマイナンバー(個人番号)を記載して事業者に送付しようとしている問題で、全国商工団体連合会(全商連)は12月15日、梅村さえこ衆院議員(共産)を通じて総務省へのヒアリングを行いました。中山眞常任理事らが参加し、佐伯正隆、師岡徹、岡澤利昭の各税理士などが同席しました。
住民税の特別徴収税額の決定通知書の問題を取り上げた総務省へのヒアリング
「番号を記載しないと決めた自治体へのペナルティーがあるのか」との質問に対して同省は「記載しないと決めた自治体に対してペナルティーはない。地方税法上の罰則規定もない」と明言しました。また、自治体への指導・勧告については「現時点では考えていないが、状況を見ながら判断する」と答えました。
参加者は、事業者や自治体が住民税特別徴収税額の決定通知書に個人番号が記載されることに不安を感じていることや、個人番号が記載されて送られてくることを知らない事業者がいることなどを指摘しました。
また、平成28年度与党税制改正大綱を踏まえた対応で質問。番号漏えいやコスト増、郵便事故等による情報流出のリスク増を理由に、従業員に交付する源泉徴収票に個人番号を記載しなくてもよいと国税庁が明言していることを取り上げ、「総務省はそうした対応を検討しないのか」と追及。「納税義務者用の通知には番号を記載しないことにしたので、国税分野と同様に対応しているが、徴収義務者用の通知は地方税独自のものであり、必要な限度での通知と考えている」などと答えたため、参加者は「個人番号は必要ないはずだ」と抗議しました。
「記載しない」=東京都北区
東京都北区では、北区民主商工会(民商)が提出した質問に対して「個人番号欄には原則として記載が義務付けられているが、現時点においては、特別徴収税額通知書(特別徴収義務者用)に個人番号の記載は予定していない」と回答しています。
全国商工新聞(2017年1月16日付) |