マイナンバー慎重対応を 3市1町への要請で山県市長が「利用拡大しない」と意向を表明=岐阜・岐阜北民商
中小業者施策の充実を求め、岐阜北民主商工会(民商)はこの秋、岐阜市、山県市、瑞穂市、北方町の3市1町と懇談。マイナンバー(共通番号)についても問題点を指摘し、山県市では「個人番号の利用を拡大しない」ことを明らかにしました。
個人番号の取り扱いなどについて意見交換した岐阜北民商の山県市との懇談
山県市との懇談は11月22日に行い、林宏優市長などが応対しました。
共通番号について石神彰税務課長は「市長がマイナンバーの利用拡大をしない意向を明らかにしている」ことを紹介し、「市役所へ提出してもらう書類に個人番号を記入してもらい、本人確認することは現状では事実上無理ではないか」との見解を示しました。
また「約2万8000人の人口で、顔写真付きのマイナンバーカードが交付されたのは1008人にとどまり、高齢者が中心になっている」ことを明らかにしました。
林市長は「就任当初から地元業者の振興を公約に掲げている。18歳までの医療費補てんを振興券で対応し、地元業者で使ってもらう」ことなどを強調しました。
17日には岐阜南民商と合同で岐阜市と懇談。その場でマイナンバー制度を特集した商工新聞(11月21日号)を全職員に配布しました。「個人番号の管理は事業主に事務負担と過大な責任を強いるもの。共通番号を扱いたくない事業者が記載せずに各種書類を提出しても罰則も不利益もないことが中央省庁交渉で確認されている」ことを紹介すると、古田裕司納税課長は「岐阜市もそういう姿勢で対応することになる」と答えました。
16日の瑞穂市との懇談では共通番号について、「国保課で扱う書面について、記入がなくても柔軟に対応するように(県から)指示があった」ことを明らかにし、税務関係の書類については「まだ何も聞いていないが、近いうちに指示が出ると思う」と述べました。
全国商工新聞(2016年12月19日付) |