税金大学習会を開催 マイナンバー、インボイスの狙いつかみ納税者の権利守ろう=大阪・大正民商
大阪・大正民主商工会(民商)の「納税者の権利を守る会」は10月21日、第19回税金大学習会を開き58人が参加しました。
講演した大阪総合会計事務所の清家裕税理士は「消費税増税やマイナンバー、インボイス(適格請求書)、税務調査は根底でつながっている。狙いは安倍政権の戦争する国づくりと大企業の減税。軍事費の予算は5兆円を超えている。1兆円で100万円の車が100万台買える。5兆円というのはとんでもない金額」と分かりやすく説明しました。
インボイスについては「(1)税務署から登録番号を受ける(2)税率別に消費税額が書かれた適格請求書の発行が必要になる。適格請求書の保存が仕入税額控除の要件になるので、免税事業者は適格請求書を交付できないため、取引から排除されかねない。実質的には簡易課税制度もなくなる」との危険性を指摘しました。
「保険会社や証券会社からマイナンバーの提出を求められている」との質問に対して清家税理士は「全中連との交渉の中で各省庁はマイナンバーを書かなくても不利益はないと回答している。民間会社の手続きにでもマイナンバーで不利益を受けることはない。もしあれば総務省の相談窓口に訴えてほしい」と呼び掛けました。
片山孝義会長が倉敷民商弾圧事件の報告と署名を訴え、下鶴久夫税対部長が税務調査の近況を報告し、「調査をきっかけに入会した会員は、調査でも納税者の権利をしっかり主張している。調査にも立ち会ってほしい」と呼び掛けました。
税務調査を受けたことをきっかけに納税者の権利を学んで税務調査に立ち向かおうと話し合い、毎年1回、大学習会を開いています。
全国商工新聞(2016年12月5日付) |