税務署の売掛金差し押さえに抗議 民商の仲間に支えられ、消費税「納税の猶予」に=京都・上京民商
京都・上京民主商工会(民商)の伊藤英行さん=弁当販売=は先ごろ、消費税の納税の猶予が実現しました(国税通則法第46条第2項第5号)。2月から12月まで毎月4万円の分納が認められ、1月以降の納付については再度、上京税務署と交渉することにしています。「民商の仲間の支えがなければ、とっくに商売がつぶされていた。これからもなんとしても事業を継続させたい」と話しています。
「事業続けたい」
伊藤さんは売り上げが減少する中で10年ほど前から消費税が期日通りに納められなくなり、分納していました。しかし、滞納額は100万円を超え、昨年6月、クレジットで支払われる弁当代を税務署に差し押さえられ、アルバイトの給料が払えなくなりました。「このままでは事業が継続できなくなる」と民商の仲間と一緒に抗議し、昨年末までの分納を認めさせ、2月22日に「納税の猶予」を申請しました。
ところが、署員は申請書を受け取ろうとせず、「追加の書類が出ていない。持ってこなければ申請を取り下げたとみなす」「納付できなければ売掛金を差し押さえる」と強権的な姿勢に終始。伊藤さんと民商の仲間は「税務署は商売をつぶす気か」と食い下がり、追加の書類を提出して納税の猶予申請を完了させ、8月2日付で「納税の猶予許可通知書」が送られてきました。
伊藤さんが売掛金を差し押さえられた問題は、倉林明子参院議員(共産)が財政金融委員会(3月24日)で取り上げ、「一括納付や売掛金の差し押さえは営業停止につながる。息の根を止めるような徴収はすべきではない」と政府を追及。麻生太郎財務相は「個々の実情を十分に把握するのは当然。猶予制度を活用して分納できることを伝え、適切に対応する」と答弁し、滞納整理については「法律を画一的に適用するのではなく個々の事情に即して判断する必要がある」との認識を示していました。
全国商工新聞(2016年10月24日付) |