相談通じ問題解決を 社保強制加入で学習会=埼玉県連
社会保険未加入問題への対応を考えた埼玉県連の学習会
埼玉県商工団体連合会(県連)は9月21日、事務局員、役員を対象とした「社会保険強制加入対策学習会」を開き、55人が参加しました。
厚生労働省や国土交通省が社会保険未加入者への加入を強め、年金事務所からの呼び出しや加入の確認文書を受け取った会員から不安の声が上がっています。学習会は、社会保険の基礎的な知識や実務、国が未加入者への加入を強めている背景などを学び相談活動に生かそうと開いたものです。
講師を務めた東京・渋谷民主商工会(民商)の副会長で社会保険労務士の齊藤学さんは「相談者に対し十把ひとからげの対応でなく、個別の諸条件を丁寧に聞いて相談に乗ることが大切。社会保険加入をむやみに恐れてはならない」と強調。小規模事業者の負担を軽減するために、全商連「三つの提起」(1)社会保険料の引き下げ(2)協会けんぽへの国庫補助の引き上げ(3)納税緩和措置の周知徹底―を実現させるために会内外での運動を強めることが大切と話しました。
質疑応答では「建設現場で一人親方に対して社会保険への加入が強まっている」との質問が。「そもそも一人親方は法的にも社会保険加入の対象にはなっていない。しかし、国の要請に応えようと大手元請けが一人親方数名をグループ化し、そこを雇用保険の適用事業所にして被保険者番号を取得させるという、法の趣旨をねじ曲げた運用が起きている」との指摘がありました。
菊池正美県連副会長・社保部会部長が行動提起を行い、「社会保険料に応能負担を求める運動と併せて、自分の会社を今後どうしていくか、役員や事務局員が会員からの相談に乗って問題を解決していくことが重要。学んだことを力に中小業者の営業と暮らしを守るためにもこの秋の運動を成功させよう」と呼び掛けました。
全国商工新聞(2016年10月17日付) |