強権的な対応ただし、延滞金が徴収の猶予に=岩手・一関民商
延滞税を支払うよう迫られていた岩手・一関民主商工会(民商)の鈴木明子さん(仮名)は5月30日、民商の仲間とともに一関県税センターと交渉。無理な納税を迫られた実態を告発して改善を要求し、年末までの徴収の猶予が認められました。 その後、年明け以降の分納について話し合い、無理のない納付額にすることを確認した鈴木さん。「これで不安の種が一つ減った。本当にうれしいし、交渉して良かった」と笑顔を見せ、これをきっかけに民商に入会しました。
社長だった夫が3月に急逝し、鈴木さんは予期せぬ形で経営を引き継ぐことに。その直後、岩手県から督促状が届き、10万円ほど県税の延滞税が滞っていることを知りました。
鈴木さんは県税センターを訪ね、「商売は休止し事実上の無収入状態。夫の葬儀を終えたばかりでさまざまな手続きで多忙を極めているため、すぐの納付は難しい」と訴えました。担当者は分納は認めたものの一方的に金額を提示し、「5月30日までに納付を」と迫りました。
商工新聞読者だった鈴木さんは5月に入ってから民商に相談。地方税法について学び、「休業・廃業時などには徴収が猶予される」旨の規定があることを知り、「ぜひ(猶予を)申請したい」とアドバイスを受けながら請願書を作成し、県税センターに提出しました。「納付の相談をしたい」と申し出たところ、不誠実な対応をとったため、「納税者の訴えに耳を傾けるべきではないか」と厳しく抗議。強権的な対応を見せていた担当者は「そういった事情があるならば…」と態度を改めました。
鈴木さんは今、民商の仲間に励まされながら商売再開をめざしています。
全国商工新聞(2016年7月18日付) |