強権的な差し押さえなど税務行政の改善を求めて市と交渉=北海道・旭川民商
北海道旭川市が、国民健康保険(国保)料を含む市税などの滞納世帯に対して差し押さえを強めている問題で、旭川民主商工会(民商)は5月25日、徴収行政の改善を求める要望書を提出し、市の姿勢をただしました。谷川広光会長をはじめ7人が参加。日本共産党の小松晃、石川厚子、真嶋隆英の各市議が同席しました。
「徴収のあり方見直す」旭川市が回答
強権的な徴収実態を告発し改善を求めた旭川民商の役員ら(右側)
1時間の交渉の末、市の税務部は「徴収のあり方を見直さなければならない」「今後、督促状などの文書を機械的に送付するのではなく、滞納者ともう少しコンタクトをとらなければならない」「差し押さえに関しては、極めて常識的な範囲での実行にとどめたい」などと答えました。
この間、民商会員から寄せられた強権的な徴収実態を谷川会長らが告発。「営業時間中、お客のいる前で市の職員が、冷蔵庫や製氷器を差し押さえていった」「健康状態に不安があるのに、頼みの綱である生命保険が差し押さえられた」「分納相談に来ているのに、とても払えないような納付誓約書を一方的につくり、押印を迫った」などの事例を突き付けました。税務部は「国税徴収法などの法律を地方税の徴収に適用させ、あくまでも法律の範囲内において法に抵触しないよう滞納処分を行っている」と強弁していましたが、小松市議が「法律を犯すことがなければ、何をやってもいいのか」と追及すると回答不能に陥りました。
交渉団は再度、「明らかに行き過ぎた処分や対応が多く、機械的で差し押さえありきの徴収をあらためるべき」と要望。民商では引き続き、交渉を重ねようと話し合っています。
要望事項は次の通り。
(1)営業実態や生活状況の把握に努め、分納相談は親切、丁寧に対応すること(2)「1年以内の滞納克服」など機械的な考え方で対応しないこと(3)財産調査で「資力がある」と機械的に判断しないこと(4)売掛金や営業用什器備品などの資産、年金、生命保険、給与などの差し押さえはやめること。また日ごろから納税者との接触、協議を重視すること(5)徴収の猶予、換価の猶予など緩和措置を十分に説明するとともに威圧的対応で納税者に経済的、精神的負担をかけないこと―の5項目。
全国商工新聞(2016年7月11日付) |