免税業者を廃業させるインボイス導入に反対 取引排除なら年商15%減に=岐阜・北民商
「免税業者の取引排除は許せない」と話す博紀さん(右)と千代さん
岐阜北民主商工会(民商)の安藤博紀さんは、妻の千代さんと二人三脚で35年にわたって、持ち帰りすし専門の「すし半」を営んでいます。お客さんの多くは個人客ですが、近くの観光ホテルやスポーツ団体などからも注文もあり、その売り上げは全体の約15%を占めています。
消費税の免税業者で、「お客さんの負担を考えて消費税分の上乗せはしていない」と語る安藤さんですが、「『軽減税率』が適用されない、すしを入れるパックや経費は10%。その負担は大きい」と顔を曇らせます。
さらに気がかりなのは、インボイスの導入です。「ホテルなどは消費税の納税額を抑えるためにインボイスの発行を求めてくると思う。免税業者のままだとインボイスが発行できず、取引が切られれば、売り上げの15%がなくなってしまう。課税業者を選択しても、消費税分の値上げができなければ、自腹で消費税を納めることになる」とため息をつく安藤さん。「このままでは商売が続けられなくなる。消費税率の引き上げは何としてもやめさせたい」と増税中止の署名を集めています。
全国商工新聞(2016年3月7日付) |