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仲間と解決策考え消費税・延滞税 換価の猶予実現=東京・北区民商
商売続ける展望見えた
東京・北区民主商工会(民商)の安芸要二郎さん=造園=は先ごろ、支払うことが困難になっていた消費税と延滞税345万3200円(本税235万6500円、延滞税109万6700円)の納税の猶予を求め、王子税務署と交渉。11月26日に毎月7万円の分納を認め、延滞税率も1・2%に減額する換価の猶予許可通知書が届きました。「これで商売を続ける展望が見えてきた」と笑顔を取り戻しています。
換価の猶予が認められ商売が続けられると喜ぶ安芸要次郎さん(左)と妻の喜寿美さん
1980年に独立し、まじめに仕事を続けてきた安芸さんでしたが、長期にわたる不景気にはあらがえず年々売り上げは減少。仕事がなくなることを恐れ単価の安い仕事でも断れずにこなしてきました。しかし、利益率も悪化の一途をたどり、赤字経営に陥りました。 赤字でも容赦なく発生する消費税の支払いに苦しめられてきた安芸さん。少しずつでも納めていこうと、20年以上懸命に分割納付を続けていましたが、滞納額は膨らむばかりでした。「このままでは消費税につぶされる」と、思い悩んだ末に民商に相談。定例開催している経営なんでも相談会・虹の会に参加しました。
相談員だけではなく、同じように金融や税金問題などで悩む相談者同士も交流しながら、みんなで解決策を討議。「悩んでいるのは自分だけではない」と励まされた安芸さんは、全商連発行の「税金が払えず困っている人へ」パンフをもとに、高過ぎる税金の仕組みや納税者の権利を学習し、税務署との交渉に臨みました。
妻の喜寿美さんと一緒に税務署と交渉。パンフの収支状況表を用いながら現在の経営実態や、高齢に伴う体調不良など生活状況も丁寧に徴収官に説明し、換価の猶予が認められました。
安芸さんは、1年後の換価の猶予再申請を視野に入れつつ、これからの1年で金融関係の見直しなど経営改善に取り組み、事業再生に向けて頑張ろうと決意を固めています。
北区民商では2年前から始めた確定申告後の納税対策学習会と納税の猶予集団申請の取り組みや、毎年2回行っている税務署懇談も生かしながら、15年は換価の猶予4人、納税の猶予1人、地方税の滞納処分の執行停止1人の成果を勝ち取っています。
全国商工新聞(2016年2月1日付) |