全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 税金のページ > 徴税攻勢 > 全国商工新聞 第3195号12月7日付
相談は民商へ
 
 
税金 徴税攻勢
 

署員の言いなり脱し自分の申告認めさす=沖縄民商

Photo
税務調査を共にたたかった読谷村支部や民商婦人部の仲間と伊野波さん(左から5人目)

 「是認です。追加の税金はありません。税務調査は終了します」―。沖縄民主商工会(民商)の伊野波有美子さん=食塩販売=は11月16日、本人の申告内容を認める「是認」を勝ち取り、税務調査を終えることができました。インターネットで沖縄民商を探し出して入会。納税者の権利を学び、読谷村支部の仲間に支えられながら調査を乗り越えました。

民商の仲間が支援
 調査終了の翌17日、読谷村支部のHさんが経営する喫茶店で婦人部のランチ会が開かれました。「伊野波さんおめでとう 仲間の立会いで税務調査 『是認』勝ちとる!」の横断幕を掲げ、みんなで喜び合いました。「一人で調査を受けていたら、乗り越えられなかったかもしれない。民商に出会って本当に良かった。税理士任せにしていたことを反省し、自分で記帳や申告を学びたい」と笑顔を見せました。
 読谷村で(有)沖縄ミネラル研究所を経営し、2年前から代表を務めている伊野波さん。自社で販売する食塩は沖縄の海水をくみ上げて独自の製法で作り上げたもので、製造元の会社を経営する父親が学者とともに研究を続け20年間かけて誕生させました。品質の高い塩は、海外の百貨店や料理店でも利用されるなど、国内だけでなく世界に向けて販売しています。

税理士不信に
 税務調査が始まったのは6月8日。顧問税理士の立ち会いの下で任意調査が実施されました。「父の会社を含めて税務調査は今回が5回目。なぜ、たびたび調査になるのか。担当税理士も会社を守っているように思えない」と伊野波さんは疑問を感じました。
 13年前、父親の会社が調査を受けた時、重加算税を含めて889万7000円の追徴になりました。
 食塩は製造元から半製品で仕入れ、それを袋詰めにして製品にします。不純物を取り除いて乾燥させると10キロの塩でも5〜6キロにしかならず、税務署はそれを捉えて売り上げの計上漏れがあると主張。「半製品が製品になると塩の量が減るのは当たり前。売り上げをごまかしたわけでもないのに、なぜ、多額の税金が取られるのか。頼りになるはずの税理士は手のひらを返したように署員と一緒にあら探しをした」と憤ります。
 3年前の調査では、税理士の判断で計上した貸倒損失が追徴の対象になりました。
 今回の調査では信じられない出来事が起きました。調査官から「13年前と同じ内容では追徴は難しい」と告げられた顧問税理士が「在庫を調べれば、何かしらありますよ」と署員に話をしていたのです。「税理士が税務署の片棒を担ぐなんて」
 衝撃を受けた伊野波さんは税理士との契約をすぐに解除。インターネットや本で税務調査について自分なりに調べ、「納税者の権利」を守る団体があることを初めて知り、7月31日、沖縄民商の事務所を訪ねました。

対策会議開き

Photo
読谷村支部が開いた対策会議。「どんなささいなことでも支部に持ち寄って」と訴える新垣支部長

 読谷村支部はすぐに対策会議を開催。新垣義武支部長=建築=は「きちんと申告しているのに、初めから疑ってかかる税務署のやり方は許せない」と怒り、「支部の仲間で伊野波さんを支えて調査をたたかおう」とみんなに呼び掛けました。
 対策会議は8月から月2回のペースで開かれ、「納税者の権利憲章」(第2次案)や「自主計算パンフ」、商工新聞の記事などを読み合わせながら学習を重ねました。「税理士の言うことに疑問を感じても何も言っちゃいけないと思っていた」という伊野波さんにとっては驚きの連続でした。「税理士や税務署の言いなりになるのではなく、自分の申告に責任を持ち、おかしいと思ったことは、はっきりと言わなくちゃいけない」と納税者としての自覚を高めました。
 それまで高圧的だった署員は、伊野波さんが「民商に相談している」と言った途端、態度がころっと変わり、調査の日程や時間も伊野波さんの都合に合わせ、支部の仲間の立ち会いについても「隣りの部屋で待機してもらって伊野波さんが聞きにいくのなら」と認めました。

立ち会い強め
 支部の仲間は「仕事は忙しいけれど1時間だけでも」と入れ代わり立ち代わり駆け付け、毎回20人ほどが立ち会いに参加。伊野波さんは署員の質問に自信を持って答え、申告の正当性を正々堂々と主張し、調査は3回で終了しました。
 支部の仲間にも変化が表れました。Mさん=菊製造販売=は「菊の出荷が忙しくて申告の時だけに集まればいいと思っていたけれど、税務調査になったときに集まれる支部があるのは心強い」と信頼を寄せるようになりました。
 これまで商工新聞を新垣支部長だけで配達していましたが、仲間同士の団結が深まり、配達に参加する人も増えました。新垣支部長も確信を深めています。「不当な税務調査に苦しんでいる業者は会外には大勢いる。泣き寝入りをせずに納税者の権利を主張してたたかえるのは民商だけ。民商を地域の業者にもっと知らせて仲間を増やし、不当な調査をはね返す力にしたい」

全国商工新聞(2015年12月7日付)
 

相談は民商へ
ページの先頭