生活困窮お構いなし 市の強健徴収に抗議=群馬・前橋民商
100円の預金も給与も差し押さえ
滞納処分の改善を求めた前橋市との交渉(発言者は前橋民商の大野会長)
群馬・前橋民主商工会(民商)が事務局を務める「市税を考える市民の会」は10月21日、前橋市と交渉し滞納処分の改善を求めました。前橋民商をはじめ新日本婦人の会前橋支部、共産党市議団、仲道宗弘司法書士など12人が参加。年間1万件超の滞納処分に多くの中小業者・市民が苦しんでいる実態を踏まえ、前橋民商の大野豊文会長は「100円、200円の預金も差し押さえる異常な滞納処分の撤回」を要求。応対した収納課長は「納税相談や訪問して最終判断で差し押さえをしている」と答えました。
仲道司法書士は分納約束のときに給与など差し押さえの承諾書を提出させている問題について「給与は差し押さえ禁止財産(国税徴収法第76条2項)であり、承諾書を書かせるのは違法行為」と市の姿勢をただしました。市側は同条5項を持ち出して「納税者が認めれば、差し押さえの限度額を超えてもよい」と強弁。参加者は「承諾書に記入させることは強要に当たる」と強く抗議しました。
また、差し押さえは職員の判断で行っていることが判明。「基準を設けず差し押さえをすることを改善すべき」と要望しましたが、収納課長は「マニュアルはつくるつもりはない」と回答。児童手当差し押さえは違法と認定し、鳥取県がその後、徴収マニュアルを改訂した広島高裁判決を生かそうとする姿勢は見られませんでした。
さらに「生活保護世帯などが納税する資力がなく生活が困窮する場合、執行停止できるのではないか」との質問に対して「生活保護世帯も執行停止になるとは限らない」と答え、生活困窮者からも納税を迫る市の姿勢が明らかになりました。
「市民の会」は市の違法な滞納処分をやめさせるため、今後、集団訴訟を起こしてたたかうことを決め、対策会議を開くことにしています。
全国商工新聞(2015年11月16日付) |