マイナンバー学習会 業者の負担増明らか=新潟県連
新潟県商工団体連合会(県連)は5月26日、マイナンバー制度学習会を開き80人が参加しました。講師を務めた日本弁護士連合会(日弁連)情報問題対策委員会の齋藤裕副委員長は事業者への負担増加や海外で実際に起こっている情報漏えい問題などを指摘。参加者からはマイナンバー制度の問題の大きさに驚きの声が上がりました。
齋藤弁護士は政府がいうメリットとして、行政サービスの向上を上げていることを取り上げ、「試算では、国の導入費用が2000億〜3000億円、民間では、1社あたり約105万円、全体で3兆円の導入コストがかかる」と指摘。「行政サービスの向上というメリットは、3兆円以上かけてもやる価値があるものか」と問題提起しました。
また、事業者の負担について、「従業員が1人でもいれば源泉徴収票・法定調書・労働保険・社会保険等へのマイナンバーの記入が義務になり事業者負担は間違いなく増える」と説明。さらに、アメリカや韓国ではマイナンバーの情報漏えい、なりすましが大問題になっているとし、「情報が漏えいした場合、事業主の管理責任が問われることになり、罪に問われることもある。従業員のマイナンバーの安全管理措置を行い、厳重に管理しなければならなくなる」と強調しました。
「特に業者は自分の問題として向き合わざるを得ない。マイナンバー制度の実施延期や廃止の声を広げよう」と結びました。
参加した阿賀野民主商工会の読者・Kさん=農業=は「業者に100万円以上の負担を求めるなんてとても無理。安全管理措置ができないまま責任を問われることに恐ろしさを感じる」と感想を語りました。
全国商工新聞(2015年6月29日付) |