市税務課と交渉し追徴一転・4万円還付=岩手・一関
還付通知を受け取って笑顔を見せるKさん夫妻
岩手・一関民主商工会(民商)のKさん夫妻=建築=は先ごろ、民商の仲間と一緒に一関市と交渉し、市税と介護保険料を合わせて4万円の還付を実現しました。「民商の仲間に相談して本当に良かった。一人ではとても税務課まで足を運べなかった」と二人は笑顔を見せています。
Kさん夫妻は2013年、市道の拡張工事に伴って市に農地を56万円で売却しました。同年分の申告が赤字のために売却分が合算されても税金はかからないと安心していましたが、3月に入って市から「市県民税・後期高齢者医療制度保険料・介護保険料の変更通知書」が送付され、土地売却によって5万円余の追徴が通知されました。
「売りたくて売ったわけじゃないのに、こんなに税金が取られるなんて」。驚いたKさんの奥さんは、近くに住む元婦人部役員のSさん=小売=に相談。Sさんは「公共工事のための土地売却は5000万円まで非課税のはず。民商に相談して一緒に勉強しよう」と励ましました。
2人は事務局員と一緒に学習会を開き、「公共工事の収用には特別控除があり、5000万円までは非課税」であることを確認し、20日に市の税務課に出向きました。Sさんが「なぜ追徴が課せられたのか」と質問すると担当職員は「公共工事のための売却が非課税になるのは所得税のみ。地方税は課税対象となる」と説明し、Kさんは肩を落としました。
しかし、Sさんがこれに納得せずに「国と自治体で制度が違うというのはおかしい」と抗議。「Kさんが納得するように(課税の)根拠を詳しく説明してほしい」と迫りました。これを受け、担当者はKさんと一緒に13年度分の申告内容を再確認しました。
その結果、申告が赤字のために外していた配偶者控除を計算に入れることで土地の譲渡所得がゼロとなり、追徴分が消滅することが判明。Kさんはその場で更正の請求を行い、4万円余りが還付されることになりました。
「納得がいかないことは相手が誰であっても立ち向かっていくのが民商。こんな団体は他にはないよ」と確信を深めています。
全国商工新聞(2015年5月11日付) |