払えない消費税 仲間と一緒に集団分納=広島・三原
延滞税など減免要求
広島・三原民主商工会(民商)は毎月第4木曜日に税務署への集団分納を行っています。「税金を払いたくても払えない」「1人で納付に行くと厳しい徴収を迫られる」などの声が上がる中で、商売と暮らしをつぶされないため、納められるだけの税金の分納をしようと4年前から取り組んでいるものです。
2月26日の集団分納行動には5人が参加。行動前に事務所に集まり、納付計画や近況などを出し合いました。Gさん=造船関連=は「本税は完納できたけれど延滞税まで納める余力はない。今日、税務署に延滞税免除の請願を出す」と報告しました。
Gさんは、毎年発生する20〜30万円の消費税を集団分納行動に参加して納めてきました。例年は9カ月ほどかけて、その年に発生した消費税を納付してきましたが、2013年度分の消費税は1回に納める消費税額を増やすなど納付の誠意を示してきました。しかし、本税は完納するものの延滞税は年々増え、14年2月時点で約18万円になり、重い負担になっていました。
税務署ではそれぞれが納付した後、Gさんともう1人の参加者が延滞税の執行停止を求めて請願書を提出。Gさんは「本税を払うので精いっぱいで延滞税まで払える余力はない。3月には新たな消費税が発生するので、延滞税は免除してほしい」と徴収統括官に訴えました。
Kさん=造船関連=はこの日、消費税の本税を完納しました。「源泉所得税についてもこれまで通り毎月分納すれば完納できそう」と笑顔です。
Kさんは07年ごろから不況の影響で売り上げが落ち込み、消費税や源泉所得税が滞るように。2年前に売掛金を差し押さえられ、民商の仲間と一緒に税務署と交渉し、差し押さえを解除させました。その後、Kさんは商売と生活の状況を民商の家計表に書いて毎月の集団分納行動に参加しています。
この間の集団分納行動に参加する中で、本税を完納する仲間が増えていますが、一方で「延滞税までは払えない」という要求が高まっています。西村善郎会長は「誠実に本税を払い終えた納税者には延滞税を免除すべき。要求を持っている仲間と一緒に、延滞税免除の問題で再度税務署交渉を計画したい」と話しています。
全国商工新聞(2015年3月23日付) |