納付計画と誠意示し 売掛金差し押さえ解除=神奈川・横浜
本紙学び機敏に交渉
神奈川・横浜南部民主商工会(民商)のTさん=梱包=は10月15日、横浜南年金事務所に差し押さえられていた売掛金59万円の差し押さえを解除しました。社会保険料89万円の滞納を理由に9月29日、従業員2人とアルバイト1人の給料に充てるはずだった売掛金を差し押さえられましたが、民商の仲間と、差し押さえを解除させた兵庫・西宮民商の記事(10月6日号)を学び、10月6日に「換価の猶予」請願書、厚生年金保険料等の納付の猶予申請書を作成し、機敏に交渉した成果です。
Tさんは会社を設立して5年目。この不況下で自らの役員報酬も取れないばかりか、逆に年金を運転資金に注ぎ込む状況で、従業員の社会保険料も一部しか払えず滞納していました。
年金事務所からは督促や差し押さえ(予告)が何回も届き、その都度相談に行き分納してきましたが、この1年余りは当月分すら払えず、滞納額が膨らんでいました。
年金事務所は差し押さえを強行。担当者は「差し押さえたのは滞納額の半分で、給料の天引き分。従業員から預かった社会保険料の流用は認められない」とかたくなな態度でした。
Tさんは「零細業者は給料の手取り分さえ払うのに苦労している。保険料を支払うために別の金策をするのが実態だ」と訴えました。
しかし担当者は「何度も分納を約束したが結局守られずに、連絡もないまま滞納が増えた。今回は相談に来る約束すら守らなかった。上からの『法律に基づく差押』の指示は強まっていて、どうにもできない」と述べるばかり。
相談に行けなかった時期は、病気で外出できなかったTさん。体調が悪く電話もできなかった状況を説明した上で「分納の約束が十分守れなかったことは申し訳ない。従業員とも相談して経費の削減等で猶予申請書にある通りの返済計画を作った。従業員のためにも会社をつぶすわけにいかない。差し押さえを解除してほしい」と1時間以上、粘り強く訴えました。
担当者は「会社をつぶすのが本意ではない。いくらなら払えるのか」と提案し、滞納額の一部を入金して差し押さえを解除すること、その後の納付はあらためて相談することになりました。
民商では、社会保険料を滞納したまま放置すると取り返しが付かなくなる可能性があるので、民商の仲間に早めに相談するよう呼び掛けています。
全国商工新聞(2014年11月3日付) |