市税・国保税納付困難 徴収猶予申請し分納へ=神奈川・相模原
神奈川・相模原民主商工会(民商)のSさん=IT関連=は先ごろ、市民税の徴収猶予の承認をかちとりました。4月1日付けで市から「徴収猶予承認書」が届いたSさんは「民商に入らなければ、徴収猶予などの制度があることすら知らなかった。これで安心して納税できる」と喜んでいます。
昨年Sさんは初めて税務調査を受けました。税務署員に促されるままに調査が進められてしまい、「みずからに非があった」という趣旨の文書に印を押してしまった結果、過去7年分の修正申告で約200万円の追徴課税に。それに伴い市民税や国民健康保険(国保)税も引き上がることを知ったSさんは「これ以上の納税は難しい」とインターネットで知った民商に昨年末に相談し、入会しました。
「なんとか分割で納税したい」と話すSさんに民商は「徴収猶予を申請して、差し押さえをさせず、延滞金も減額させましょう」とアドバイス。2月に届いた過去2年分の市民税納税通知書を持って南市税事務所に出向き、徴収猶予申請書を提出しました。
営業と生活の実態を踏まえて申請理由を説明すると、市税事務所長は「毎月の分納額が少なくて、認められない」「食費が多いのでは。私はもっと少ない」「家賃が高すぎるので転居したらどうか」などと暴言を吐きました。
同席した日本共産党の藤井克彦市会議員が「職員が市民生活にそこまで干渉することは許されない」とその場で抗議しました。3月の市議会代表質問でも、「経済的事情により不本意ながら税金などを滞納してしまった人に対して、行き過ぎた取り立てが行われ…窓口で個人の生活設計に干渉するような人権侵害ともなるような言動は厳に慎むべき」と市の対応を批判しました。
その後、残り5年分の納税通知書が届き、あらためて徴収猶予申請書を提出すると、応対した所長はそれまでの態度を一変。「検討した結果、徴収猶予は認められそうだ。結果が出たら知らせる」と話しました。国保課でも分納手続きを行い、職員に「差し押さえや短期保険証の発行をしない」ことを確認させました。
全国商工新聞(2014年6月16日付) |