収支内訳書「未提出で不利益ない」東京国税局が回答
千葉、東京、神奈川、山梨の県商工団体連合会は5月28日、税務署が脅しに近い文言を用いた行政指導「文書」で収支内訳書の提出を迫っている問題で、東京国税局と交渉しました。11人が参加し「文書」の破棄・訂正を強く求めました。
確定申告期後、東京国税局の指示で同局管内の税務署は「書類の提出について」と題する「文書」を納税者に送付。所得税の控除に必要な書類と収支内訳書を同列に記載し、「期限までに書類を提出しない場合、調査を実施する場合があり、…過少(無)申告加算税が課されることがある」という内容です。
収支内訳書は1984年の国会で「申告書に添付しなければならない」と導入されましたが、当時の運動で罰則のない「訓示規定」にさせてきました。提出するか否かは納税者の任意で、未提出でも確定申告書は有効です。国会付帯決議は「納税者に過大な負担とならないよう十分留意する」と定めています。
交渉では(1)国会付帯決議を尊重し、今後このような文書を発送しないこと(2)収支内訳書の未提出を理由に不利益な扱いや税務調査はしないこと(3)なぜ昨年とまったく違った内容の督促文書になったのかを明らかにすること(4)文書を破棄し訂正文書を出すこと―を求める要望書を提出。
応対した総務担当者は「国税通則法の改正で、調査と行政指導を区分することになった。強権的と受け止められるのは本意ではなく、納税者の予見可能性を高める観点から(調査を実施する場合があるなどの文言を)入れた。収支内訳書の提出には罰則はなく、提出しないことのみを持って、不利益な取り扱いはしないし、税務調査はしない」と答えました。
全国商工新聞(2013年6月10日付) |