消費税滞納でFC権利金差押 換価の猶予で取り戻す=北海道・苫小牧民商
北海道・苫小牧民主商工会(民商)の佐藤大輔さん(仮名)=コンビニエンスストア=は先ごろ、苫小牧税務署に「換価の猶予」(注)を認めさせました。これにより、コンビニ本部に支払っていた権利金の差し押さえを解除させ、経営を存続させることができることになり「商売を続けることができる」と喜んでいます。
佐藤さんは、長引く不況の影響で消費税と法人税で約180万円の滞納を余儀なくされ、コンビニ本部に支払っていた権利金約300万円を税務署に差し押さえられました。困り果てて、昨年5月に民商に入会。「納税緩和措置」や納税者の権利を学び、税務署と交渉し、毎月払える金額を納めていました。
しかし、今年1月に入り、コンビニ本部から「(権利金について)税務署の差し押さえがある以上、契約を解除する」との通告を受けました。
この知らせを受けた民商は佐藤さんと共に税務署と交渉。佐藤さんは商売の年間収支から返済可能金額を示し、「商売を続けなければ払うべきものも払えないし、食べていけない。換価の猶予で差し押さえを解除してほしい」と訴えました。
税務署は滞納税金のうちの法人税11万円を納めることを条件に、換価の猶予を認める姿勢を示し、佐藤さんは法人税を納税。税務署は2月初めに、換価の猶予を認め、権利金の差し押さえを解除しました。延滞税も年14・6%から4・5%に減らしました。佐藤さんは「差し押さえを解除でき、うれしい。民商で権利を学び、勇気が出た」と語っています。
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(注)換価の猶予【国税徴収法151条】(税務署長は)滞納者の事業継続、生活の維持を困難にするおそれがある財産の差し押さえを猶予し、解除することができる。
全国商工新聞(2013年4月1日付) |