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  トップページ > 税金のページ > 徴税攻勢 > 全国商工新聞 第3052号12月17日付
 
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税金 徴税攻勢
 

税務署が謝罪 取引先の無断調査 申告内容は適正と認定=京都・中京

 京都・中京民主商工会(民商)の西村高治さん=飲食=は11月27日、税務調査で是認(本人の申告を認める)をかちとりました。中京税務署員が承諾を得ずに行った反面調査を謝罪させ、調査期間の延長を一方的に迫る不当な要求を許しませんでした。自主記帳・自主計算と仲間の支援が大きな力となりました。

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税務調査で是認をかちとった京都・中京民商の仲間。左から猪俣支部長、西村さん、長野税対部長、佐野会計

 8月下旬、西村さんの自宅に中京税務署員が事前通知をせずに突然現れました。「少しだけ話を聞かせてほしい」と自宅に上がりこんだ署員は、西村さんが仕事で店に出かけた後も、3時間も居座り妻から執拗に話を聞き出そうとしました。

 対策会議で権利を学び
 この知らせを受けて民商は対策会議を開催。西村さんは「自主計算パンフ」で納税者の権利を学び、役員は税務調査を乗り越えた経験を伝え激励しました。
 是認をかちとるまでの税務調査は6回に及び、民商の長野幸政税対部長や佐野かほる会計、木屋町支部の猪俣克己支部長、事務局員らが交代で立ち会いました。
 当初の税務調査で西村さんは、調査対象の「期間」と「税目」を平成21年から3年分の所得税と消費税であると署員に確認した上で、帳簿書類を提示。税務調査に全面的に協力しました。
 10月下旬、署員は「3年分は問題ありません」と述べました。にもかからず、「あと2年分(平成19、20年分)も調査をしたい」と、一方的に調査期間を5年に延長する要求をしてきました。

 不当な要求毅然と対応
 また、西村さんが取引する信用金庫の預金口座の履歴を承諾を得ずに調べたことが判明しました。これは国税庁が定めた税務運営方針(注)にも反する行為です。この問題をただすために、西村さんと長野税対部長ら6人は11月1日、中京税務署に(1)当初の約束通り調査期間を3年とすること(2)信金への反面調査は守秘義務違反であり謝罪すること-を強く求めました。
 応対した総務課長は「3年分で問題を見つけられなかったから、さらに2年分さかのぼって調査し、問題を指摘するというのはルール違反」と認めつつ、「確認と調査は違う。調査官は確認の意味で2年分見せてほしいと言ったのではないか」とごまかしました。
 これに対し、参加者は「総務課長の回答では納得できない」と抗議。調査期間を3年に限定するよう再度求めました。
 11月22日からの調査で、西村さんらが反面調査について厳しく追及すると、署員は「反省している。西村さんの承諾を得ずに、金融機関に行ったのは行き過ぎだった」と謝罪しました。
 それでも「平成19、20年分も調べる」と言う署員に、西村さんは「3年分で調査を終了すべきだ。統括官の指示で調査期間を不当にさかのぼるなら、今後は統括官と話をする」と毅然と対応しました。その結果、11月27日、署員は「今回は是認です」と答え、税務調査は終了しました。

帳面に自信あった
 調査をたたかった西村さんの話
 個人の白色申告ですが、パソコン記帳をしているので、帳面には自信がありました。最初に調査期間を3年分と確認して、署員は3年分の申告は「問題ない」と言ったのに、調査期間を延長させようとしました。
 不当な要求をまかり通らせるわけにはいかず、反面調査も許せませんでた。仲間の立ち会いで是認となり、本当に良かったです。

自主計算が重要に
 税対部長・長野さんの話
 仕事で忙しい西村さんが不在の中、署員は3時間も居座り、仕事と関係のないことまで西村さんの妻から聞き出しました。また調査に協力しているのに了解も得ずに反面調査を行いました。
 西村さんのたたかう意識は高く、署員に納税者の権利を毅然と主張したことが是認につながりました。帳面がしっかりとしていたことも大きな要因です。改悪国税通則法が来年1月から実施され、再来年からはすべての白色申告者に記帳が義務化されます。
 納税者の権利学習と自主記帳・自主計算活動がより重要となります。

(注)税務運営方針
 税務署員が守るべき指針である「税務運営方針」では、「税務調査は…、納税者の理解と協力を得て行う」とした上で、「反面調査は客観的にみてやむを得ないと認められる場合に限って行う」と、みだりに反面調査を行うことを戒めています。全国商工団体連合会が9月に行った国税庁交渉でも、庁側は「税務運営方針は順守する。職員に徹底する」と答えています。

全国商工新聞(2012年12月17日付)
 
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