税金滞納による差押を解除 不当な徴収はね返す=北海道・旭川民商
北海道・旭川民主商工会(民商)は先ごろ、税金滞納などを余儀なくされている中小業者と共に、税務署や市に申し入れを行い、納税者の意に沿った分割納付や一方的な差し押さえの解除をかちとっています。
民商会員の林隆行さん(仮名)=建築=は昨年12月、修正申告をし税務調査を終了。所得税と消費税の本税について平成20年分を支払い、平成21、22年分の分納相談のため、旭川東税務署に同月下旬に出向きました。
このとき、林さんは「冬場は仕事が少ないので当面3万円を支払い、5月以降はあらためて相談したい」と申し出ましたが、税務署員は「銀行から借りて支払え。その方が金利が安い。一括で払えないなら差し押さえる」などと暴言。林さんは憤りを覚えました。その後、「納税の猶予」を申請して、不許可となった林さんは、やりくりしながら本税を完納しました。
残った延滞税と加算税の納付相談のため同税務署に行くと、税務署員の手書きした納付誓約書に無理やり母印を押させました。
民商は今年6月、林さんとともに「納税者の立場に立った徴収実務を求める請願書」を提出し交渉。その結果、林さんは希望通りの金額で分割納付することとなり、今は商売に励んでいます。
加藤政史さん(仮名)=自動車用品販売=は長引く不況で、高すぎる国保料と道市民税が払いきれず、延滞税を含め300万円の滞納を余儀なくされていました。
旭川市は、加藤さんの生命保険を差し押さえました。困り果てた加藤さんは民商に相談し、仲間とともに市納税課へ行き、差し押さえを解除させました。生命保険から借り入れをし、滞納していた国保料と道市民税を納付しました。旭川市税条例施行規則第3条によって、約50万円の延滞金を全額免除させています。
全国商工新聞(2012年9月 3日付)
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