強権的徴税・消費税許すな 全国交流会に318人
全国商工団体連合会(全商連)は1月27日、衆院議員会館内で改悪国税通則法対策・消費税闘争全国交流会を開き、45都道府県から318人が参加。改悪通則法にどう対応するかを深め、野田首相が狙う消費税率10%への増税を阻止する決意を固め合いました。
「納税者の権利」を守り、仲間増やしで反撃決意
318人が参加し、改悪通則法の対策を深め、消費税増税を阻止する決意を固め合った全国交流会
全商連の西村冨佐多副会長は「民主党は納税者権利憲章の制定を公約に掲げ、政権の座に就いたが、全面的に投げ捨てた。しかし、民商・全商連が60年間たたかい守ってきた納税者の権利は微動だにしていない。野田首相が消費増税に並々ならぬ決意を示している一方、1月10日から24日までの大宣伝ではどこでも急速に反対の声が広がっている。消費税増税阻止の力にするためにも商工新聞読者を大きく増やそう」と主催者あいさつしました。
日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が国会情勢を報告。「国民の6割が反対している消費税増税を民・自で競い合っている。改悪通則法は国会論戦で、事前通知については一定の期間をおくこと、提示・提出については納税者の同意を得て行うことを答弁させた。罰則の適用を前提としないといっている。横暴に歯止めをかけるため皆さんと連携して頑張りたい」と決意を述べました。
「国税通則法は、納税者権利保護に活かせるか」と題し岡田俊明税理士が、「納税者の権利擁護・発展の方向」と題して浦野広明税理士が講演しました(次号詳報)。
中山真常任理事は報告と問題提起で改悪通則法への対応について「全商連の『納税者の権利憲章』(第2次案)や『税務調査についての10の心得』を身につけ、実践することが重要」と強調。消費税闘争では「自主記帳・自主計算活動を強化し、読者・会員の拡大で反撃しよう」と訴えました。
全体会討論 ――「人権無視の調査はね返す」「増税阻止で共同が広がる」
全体会討論では税務署の不当事例を報告。「7年さかのぼって重加算税を含め200万円の修正強要している。また600万円余りの一括納付を求め、『つぶれても、自殺してもかまわない』との暴言をはくなど人権無視の調査、徴収が横行している」(東京)、「日本語が不自由な中華料理店経営者に対し、400万円以上の更正処分。弁護士や民主団体などと人権問題として共同し審判所に訴え、約300万円を取り戻した」(福岡)、「ホテル業者を税務署に呼び出し、推計で5年分1720万円の修正申告を強要。民商の抗議で3年480万円に減額させた」(宮崎)など実態告発が相次ぎました。
また、消費増税反対の運動も活発に報告。「昨年末、構成員の人口比で県民の過半数を超える200超の団体署名を提出した」(宮城)、「県内全民商から335人が国会要請行動に参加。運動を通じて、45業者団体との懇談が広がった」(埼玉)、「各界連と社保協が共同して増税反対の全県いっせい宣伝を継続し、署名を送ってほしいとの電話も。団体訪問ではその場で署名に協力するなど変化を目の当たりにしている」(神奈川)、「消費税は中小業者が生きることを否定する税制だと訴える新プラスターも作製し、実態を伝えている」(大阪)、「業者団体から次つぎ増税反対の賛同が。商店街では10軒中9軒が署名してくれるなど大きな変化が生まれている」(京都)など共同の広がりが紹介されました。
同時に「10%になったら会員が3割減るという危機感がある。この攻撃をはね返すため、本気になって署名に取り組む必要がある。60周年で見せた民商の底力をもう一度発揮したい」(愛知)との決意も表明されました。
中山常任理事はまとめ報告で「通則法の改悪部分を形骸化させるたたかいが大事。権利は与えられるものではなく、かちとるもの。富裕層、大企業に応分の負担を求め、消費税によらない社会保障のあり方を求めていく。そのためにも仲間を増やし大増税阻止に奮闘を」と呼びかけました。
全国商工新聞(2012年2月13日付)
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