人権無視の税務調査に抗議し是正=滋賀・長浜
根拠もなく所得をつり上げたり、脅して帳簿書類を持ち出すなど、各地で不当な税務調査が横行しています。
滋賀・長浜民主商工会(民商)は、違法まがいの税務調査で困っている相談が相次ぎ、要求解決に全力を挙げています。
税務署から所得増330万円の修正申告を強要され困っていたYさん=整体=は先ごろ、民商に入会し、08、10年度は是認、09年度は少額修正で終了しました。
6月に長浜税務署から調査を受けた吉田さん。7年分の帳簿書類などを持ち帰られ、現金まで数えさせられるなど署員は人権を無視した横暴な態度でした。民商に相談し、すぐに税務署に抗議。帳簿書類を取り戻すとともに、民商の調査経験者や税金対策部員からアドバイスと励ましをもらい、調査にのぞみました。
1回目の調査で署員は「同業者比較で少ない分を払え」と要求。2回目は署員2人で、330万円の所得増を提示し、「人事異動が近いから急いでいる。早く印鑑を」と迫りました。3回目は「預貯金がおかしいが目をつぶるので150万円に。この方が有利」と言い放ちました。
Yさんは「申告には自信がある。ちゃんと調査してほしい」と訴えましたが、聞く耳を持ちませんでした。
4回目は「150万円のうち130万円を経費と見て20万円にする」などと、支離滅裂な主張を繰り返す署員に、「ちゃんと調べろ!」と一喝するYさん。民商と一緒に再び税務署に抗議した結果、ほぼ是認で調査が終わり、「民商に相談してよかった」と喜んでいます。
また、7年分の帳簿書類を持ち去られようとした内装業者は、民商相談役のKさん=布団製造販売=に電話で連絡。Kさんは「任意調査なのか」と署員に問いただし、書類押収にストップをかけました。
Kさんは、帳簿書類は提示だけすればよいこと、通常の調査は3年であることを説明し、「税務調査で困ったら民商に相談を」と呼びかけました。
全国商工新聞(2011年8月8日付)
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