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  トップページ > 税金のページ > 徴税攻勢 > 全国商工新聞 第2974号 5月16日付

税金 徴税攻勢
 

国保税滞納 年金の差押を解除=北海道・空知

 北海道・空知民主商工会(民商)の「何でも相談会」に訪れたSさんは4月21日、国民健康保険(国保)税や市民税の滞納を理由に滝川市に差し押さえられた国民年金について、差し押さえ解除の上、全額(10万3000円)を預金通帳へ払い戻しさせました。
 また国保税の減免申請も行い、2010年度分の保険料18万7300円が13万7000円になり、5万300円が減免されることに。「民商に出会えなかったら、今ごろどうなっていたか。本当によかった」と話しています。
 さまざまな事情が重なって、3年前から市税を滞納。09年、働いていた妻が病気で倒れ、翌年1月に入院し、医療費を捻出するために年金担保貸付を利用しました。
 この間、市役所は妻の介護保険料を徴収に来ても、滞納している国保税などの督促は文書のみで、個別相談も行ってきませんでした。
 ところが昨年12月22日、突然年金を差し押さえる旨の通知書が。このときの滞納額は本税と延滞金で60万円余り。2月15日には、年金17万円(33万円のうち、16万円を年金担保貸付の返済に利用)のうち、10万3000円が差し押さえられました。「これでは生活ができない」と、困ったSさんはビラを頼りに民商に相談しました。
 民商は立正大学客員教授の浦野広明税理士に相談。「年金は生活に欠かせない生存権的財産に当たります。憲法25条の生存権を脅かすものだ」とのアドバイスを受け、3月25日、6団体で市役所交渉を行いました。
 「生活実態を聞かずにいきなり処分を行い、しかも国税徴収法76条を逆利用して年金そのものを差し押さえた。年金担保貸付を利用していることは、調べればすぐに分かったはず。2カ月で7万円など、生活保護以下の金額では生活が成り立たつはずがない」と訴えました。
 Sさんの妻も「借り入れのことを職員に話したら、そんなことはお宅の勝手でしょうと言われた」と抗議。市税務部長は答弁不能になりました。
 その後、Sさんは市と再度面談。4月15日に民商の事務所を訪れ、「差し押さえた年金を4月21日に戻すとの文書がきました」と喜びました。

全国商工新聞(2011年5月16日付)
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