売掛金差し押さえ 税務署交渉で解除 従業員に給与払える=埼玉・本庄
消費税・源泉税など470万円の滞納を理由に、売掛金120万円を差し押さえられた埼玉・本庄民商の吉野高志さん(仮名)=運送=は10月18日、税務署と交渉して「換価の猶予」を実現し、差し押さえを解除させました。
「納税できずに困っていたが、従業員に迷惑がかからなくてよかった」と喜んでいます。
吉野さんは、不況の影響で単価が下がり、売り上げが激減。4年前から消費税・源泉税の納税が困難となりました。
藤岡税務署から督促などの通知は届いていましたが、家族の入院など医療費で生活費がかかったこともあり、納税のめどが立たないため、相談に行くこともできずにいました。
税務署は10月14日、吉野さんの10月分の売掛金120万円を差し押さえ。
吉野さんは、「このままでは2人の従業員の給料が支払うことができなくなる。給料分だけでも解除してほしい」と訴えましたが、税務署は「借り入れでもして」と、取り合いませんでした。
困り果てた吉野さんは知人の紹介で民商に相談。10月18日に、民商と一緒に税務署と交渉しました。
はじめは「解除はできない。少なくても毎月20万円の分納を」と聞く耳を持ちませんでしたが、売掛金は差押禁止財産である給料であることを主張しました。
経営・生活状況を示す資料を示し、月20万円の分納は現状では無理と粘り強く訴えるなかで、「換価の猶予」をかちとり、月7万円の分納を認めさせることができました。
吉野さんは、「これからは通知にはきちんと目を通したい。商売も頑張りたい」と話しています。
※換価の猶予 …税務署長・地方団体の長は滞納者の事業継続、生活の維持を困難にするおそれがある財産の差し押さえを猶予し、または、解除することができる。
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