手当は差し押さえない 交渉で市が約束=北海道・札幌4民商
市税などの差し押さえ強化に対して交渉する札幌市内4民商の代表(奥)
北海道・札幌中部、札幌西、札幌東部、札幌北部の4民主商工会(民商)は10月18日、12日から始動した市税事務所や差し押さえ問題で市と交渉しました。交渉には4民商の役員らと札幌社保協の代表が参加。市納税指導課長ら4人が出席し、「手当などの入金を狙った差し押さえはしない。万が一差し押さえた場合は解除の手続きをする」と約束しました。
差押禁止財産である児童扶養手当や子ども手当などが預金化された時点で差し押さえられる事例が増える中、市は「児童扶養手当などの受給権は差し押さえていない。ただし、預金化されれば差し押さえている」と強弁しました。
民商は「前後の預金残高から見て明らかに手当しかない場合でも、入金後すぐに差し押さえる事例が全国で起きている。これは不当な理屈であり、手当などの入金を狙うべきではない」と反論しました。
市は「手当などの入金を狙った差し押さえはしない。万が一差し押さえてしまった場合は解除の手続きをする」と約束しました。
札幌市民に配布される「広報さっぽろ」9月号に「全市一斉差し押さえ」の公示文が掲載された問題で、「滞納者に一斉に差し押さえを行うような脅しの内容だ。なぜ掲載したのか」「差し押さえを実施するかどうかを判断するマニュアルはあるのか」と市の姿勢をただしました。
市は「税の公平性を図る内容で掲載した。催告書なども出しているので納付が困難な場合は相談を」と回答。
民商は「相談しても要望通りの分割納付にならず納められない人も多い。財産調査によって運転資金を財産だと見られて差し押さえるのは問題。自営業者の実態に詳しい職員を窓口に置いて対応すべきだ」と市に是正を求めました。
また「一括での納付が困難な場合には、分割納付や滞納処分の停止などを行っている」との回答に対して「徴収猶予申請書を手に入りやすくしてほしい」と要求しました。
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