消費税滞納による売掛金差し押さえを解除=北海道・小樽
消費税の滞納を理由に、税務署から売掛金99万円を差し押さえられた北海道・小樽民主商工会(民商)のKさん=建設=は先ごろ、粘り強くたたかって「納税の猶予」を認めさせ、差し押さえ解除をかちとりました。「税務署と交渉していた1週間は仕事が手につかなかったが、ようやく安心できた。これで仕事に集中できる」と喜んでいます。
Kさんは、3年前から消費税・源泉所得税など85万円が滞納に。小樽税務署と納税相談をしていましたが、今年5月末、売掛金99万円が差し押さえられたことを元請け会社からの連絡で知りました。
驚いたKさんは「困ったときは民商だよ」と知り合いから教わり、民商へ相談。すぐに税務署へ行き、「給料の差し押さえは法律違反だ」と抗議しました。応対した総務課長は「差押禁止財産のことは知っている。納税者重視の対応をさせる」と答えましたが、徴収担当者は「売掛金は給料に当たらない」と強弁。
元請け会社から入手した明細書を提示し、売掛金の一部が木工事手間(大工への賃金)だと訴えましたが、「賃金は給料ではない」と取り合いませんでした。また、その場で「納税の猶予」を申請しましたが、「災害などの著しい損害がなければ認められない」と受け取りも拒否されました。
Kさんは民商と相談して、2日後に「税務署の不当な対応の撤回を求める」請願書と「猶予申請の結果が出るまで差し押さえをしないことを求める」請願書を添付し、納税猶予申請書を税務署に提出。総務課長が応対し、すべて受け取りました。Kさんの妻と佐野正一民商会長ら4人が同行しました。
合わせて、日本共産党の大門実紀史参院議員に連絡。大門議員はその日のうちに国税局に事実確認を行うよう要請し、不当な税務署の対応に「あり得ないこと」と厳しく抗議して改善を求めました。
差押執行日の前日に当たる6月9日、税務署の上席徴収官と徴収管理官がKさん宅を訪問。Kさんの経営と生活実態を確認し、「納税猶予を認める方向。万が一会社から税務署に入金されても全額をもう一度元請け会社に戻す」と約束しました。
Kさんは民商に入会し、営業と生活を守る運動に奮闘する決意をしています。
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