「市税滞納110番」に差し押さえ相談相次ぐ=前橋
「税金滞納はひとりで悩まず相談を」―群馬・前橋民主商工会(民商)も参加する「市税を考える市民の会」は2月20日、差し押さえなどの相談に応じる「市税滞納110番」を実施しました。前橋市の一方的な滞納処分で一刻の猶予もならないと実施日以前から電話が相次ぎ、延べ10人から相談がありました。
「市税を考える市民の会」が実施した市税滞納110番で相談に乗る大野会長(右)ら
「納税者の立場に立たない市政に問題がある」と、相談に応じる民商会長の大野豊文さん。固定資産税を滞納しているという電話口の男性は「手紙1枚で、預金を差し押さえられた」と冷たい処分に怒っていました。
「13万円の年金を全額差し押さえられた」という63歳の男性が会場に。国民健康保険税の滞納分として月3万円を分納中でした。「払いたくても払えない状況の中で、市にも相談していたのに」と途方に暮れる男性は後日、相談に乗った日本共産党の笠原寅一市議が同行し、市と交渉することにしました。
「住民税を滞納している息子の給与が差し押さえになりそう」と電話をしてきた60歳の女性は「市に相談すると毎月7万円の分納を迫られた」とのこと。応対した民商事務局員と相談し、家計表を作成して徴収猶予を申請することにしました。
「国保税を1カ月滞納しただけで督促が来た」と憤る年金暮らしの女性は「デモや交渉に参加して、市に抗議したい」と話しました。
「市税滞納110番」に先立ち、市民の会は2月15日、市役所前でリレー宣伝を行いました。「市税滞納者への乱暴な取り立てやめよ」の大きな垂れ幕の前でハンドマイクを使ってアピール。滞納者を悪質と決めつけ、給与や年金、事業資金などの差し押さえが年間6000件に上っていること、滞納者の実情を十分に把握し、納税緩和措置を積極的に活用することを訴えると、93人分の署名が集まりました。
「110番」や宣伝に参加した民商副会長の阿佐美寿雄さん=設計=は「15日は年金受給日なので楽しみにしていたら7万円も差し押さえられていたと嘆く人もいた。業者は仕事がない中で必死に生活している。市民の生活を守る市政に転換させたい」と話していました。
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