納税者権利憲章制定を求め院内集会
|
納税者の権利憲章実現の機運が高まったTCフォーラム主催の院内集会 |
全国商工団体連合会(全商連)も加盟するTCフォーラム(納税者権利憲章をつくる会)は2日、「国税通則法一部改正・納税者権利憲章制定を求める院内集会」を開催。税理士や市民団体、20人の国会議員や秘書など100人が参加しました。
TCフォーラム事務局長の湖東京至税理士が、政権交代後の情勢を踏まえ、課税・納税手続きにおける納税者の権利を制度的に保障する憲章を早期に実現させるために「国税通則法を一部改正して納税者の権利保護規定を設けた後に、納税者権利憲章を制定させた韓国方式で実現をめざす」と発言。
TCフォーラム代表委員の北野弘久日本大学名誉教授は「憲法に準じた国民の人権と福祉を守る中身にしなければならない」と強調しました。
民主党副幹事長の伴野豊衆院議員が党を代表してあいさつし「公約であり、必ず実現させる」と約束。同党の斎藤つよし衆院議員は、11月30日の政府税制調査会の中で、納税者権利憲章制定の実務的検討がなされたこと、来年に制定をめざすプロジェクトチームを発足させることなどを明かしました。
日本共産党の佐々木憲昭衆議院議員は、11月25日の財務金融委員会で藤井裕久財務相に納税者権利憲章制定を求めたことを報告(別項)。「実現に向けて全力を挙げる」と決意表明しました。
会場発言では、福岡民商のNさん=中華料理=が自宅や店舗などに承諾なしで上がり込むなど不当な税務調査を受けたことを告発。「夫が中国人だから差別を受けたと思った。子どもたちがいる目の前で受けた税務署の横暴に強い怒りを感じる。納税者権利憲章を早く制定してほしい」と訴え、場内は大きな拍手で応えました。
角谷啓一税理士は、人権無視の徴収行政が強まっていることにふれ「税金滞納問題においても人権を守るものにすべきだ」と提起しました。
佐々木議員(共産)の質問に藤井財務相が明言
権利憲章実現させる
日本共産党の佐々木憲昭衆院議員は11月25日、衆院財務金融委員会で、人権無視の税務調査や強権的な徴税問題を取り上げ、「納税者の権利憲章」の制定を藤井裕久財務相に要求しました。藤井財務相は「民主党の選挙公約であり、この(政権の)間に実行させていただく」と回答。国会で財務相が納税者権利憲章の制定を明言したのは初めてです。
佐々木議員は「任意調査にもかかわらず権力を振りかざしてたんすやハンドバッグを開ける」「生命保険を差し押さえ滞納額に充当する」「推計課税で事実と異なる修正申告を迫る」など強権的な税務行政の実態を告発。日本共産党は92年に納税者権利憲章を提案して以来、一貫して実現に努力してきたことを述べ「納税者は対等な主権者として尊重し、権利を保障することによって初めて納税の義務が果たされるものだ」と強調しました。
さらに、OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国のうち23カ国が納税者憲章を制定している事実を指摘し、「日本はいつまでに実現するのか」と迫りました。
藤井財務相は「指摘は大変大事なこと」としながらも、制定時期については言及を避けました。
|