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当座預金差し押さえに抗議し取り消さす=福岡
滞納した市税を納税したにもかかわらず、北九州市が当座預金を差し押さえた問題で、福岡・門司民主商工会(民商)は10月16日、市に抗議し市民の生活や営業よりも滞納整理を優先する姿勢をただしました。市は、誤りを認めて謝罪し、関係職員らに再発防止に努めるための研修を行ったと回答しました。
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不当な差し押さえに抗議する門司民商の参加者(奥側)とSさん(中) |
市から誤った差し押さえ処分を受けたのは門司民商のSさん=生花卸。約40万円の固定資産税を滞納し、今年5月に市から一度だけ「7月24日までに納付しない場合は差し押さえる」と記された督促状が届きました。平賀さんは資金をやり繰りし、7月21日に全額を納付。ところが、27日に当座預金が差し押さえに。
Sさんはすぐに市に抗議。市はその場で誤りを認め、29日に「債権差押取消通知書」と「誤った債権(預金)差押えの経過について」という謝罪の文書を発行し、差し押さえを取り消しました。
これはSさんだけの問題ではなく、市民の生存権を脅かす徴収行政に問題があるとして民商は10月16日、東部市税事務所に7人で申し入れを行いました。東部市税事務所は所長ら6人が参加。所長は「多大な迷惑をかけ申し訳ない」と陳謝し、全員に再発防止のための研修を2回行ったと説明しました。
参加者が「差し押さえる前に本人と連絡をとるべきではなかったのか」とただすと、「督促状、催告状、差し押さえ通知を出して、それでも本人から連絡がない場合差し押さえを実行している」と答え、処分手続き上の問題点は認めませんでした。
当座預金の差し押さえは、企業倒産になりかねないことを追及すると、「新たに配属された職員が普通預金と当座預金の違いも分からず差し押さえた」と問題の重大さを認めました。交渉に参加した日本共産党の大石正信市議は「専門的な知識のない職員も配置され、十分な研修も行われていない。起こるべくして起こったのではないか」と厳しく追及しました。
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