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納税猶予の不許可処分に「違法」
「納税の猶予の要件を充足しているとは認められないとした原処分(高崎税務署の納税の猶予の不許可処分)は違法というべきである」―。税務署の「納税の猶予」の不許可処分に納得できないと、関東信越国税不服審判所へ審査請求をした群馬・高崎民主商工会(民商)のSさん=土木工事=は7月11日、処分取り消しという成果をかちとりました。
Sさんは9年前に取引先が相次いで倒産・廃業し、売り上げが大きく減少。さらに、取引先への手形不渡り事故により、銀行からの借り入れができず資金繰りが悪化し、消費税を一括して納税できない状況に追い込まれました。
このため、06年11月に「納税の猶予」制度を活用し分割納税を申請しましたが、「要件を充足していない」、と高崎税務署から不許可処分にされました。Sさんはこれを不服として07年6月22日、異議申し立てをしました。民商は、役員・会員の11人が代理人となり、Sさんを応援。口頭意見陳述で不許可処分の不当性を追及しましたが、棄却されました。
Sさんはすぐに関東信越国税不服審判所へ審査請求し、(1)納付困難な状況になったのは、00年の取引先の倒産・廃業や手形不渡り事故に直接起因しており、国税通則法第46条第2項の猶予該当事実がある(2)取引先の会社に手形を振り出したのは、その取引先に多額の売掛金があり、その会社が倒産すれば売掛金の回収ができなくなる恐れがあり、売掛債権を保全する必要があって振り出したのであり、請求人には帰責性はない―を中心に争いました。
国税不服審判所は「手形債務の負担について請求人に帰責性があるということはできない。手形の受取人である取引先の倒産による手形債務を負うという不測の事態により資金繰りが困難になったという点で国税通則法第46条第2項第1号に類する事実として猶予該当事実に当たる」と、Sさんの主張をほぼ全面的に認める裁決となりました。
妻の栄江さんは「申請してから2年と8カ月が過ぎ、うれしい知らせがやっと届いた。何回も税務署へ行ったが、たくさんの仲間の応援があったから最後まで頑張れた」と話しています。
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