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国税庁の新滞納整理方針に変化が
国税庁の08事務年度(08年7月〜09年6月)の滞納整理方針が明らかになりました。
▽消費税滞納の優先的処理
6月に開かれた全国国税局徴収部長会議では、07事務年度の滞納整理状況として、消費税の滞納残高は新規発生滞納額が増加する一方、整理済額は大幅に減少し、消費税の滞納全体に占めるウエイトも高まっている(図)として「極めて厳しい状況にある」と、消費税滞納の増加に対して危機感を表明しています。
その上で、08事務年度の基本方針は、(1)消費税滞納に優先的に着手し、大口滞納事案は滞納処分中心の重点的処理を、小額滞納事案は集中電話催告センター室を活用して効果的・効率的処理を(2)大口・悪質・処理困難事案については、早期着手、早期保全を図るため、厳正・的確な滞納整理の実施をと、強調しています。
全国各地で廃業や自殺に追い込むような強引な滞納処分が行われています(別項・事例参照)。背景にはこうした方針があり、税務署の動きを軽視せず、営業と生活・命を守るために組織を挙げて全力でたたかっていくことが必要です。
▽「納税緩和措置」に言及
08事務年度の方針で注目すべきは国税庁として税法で認められた「納税緩和措置」の活用に言及したことです。方針は「滞納処分の執行は、納税者の権利・利益に特に強い影響を及ぼすことから、滞納整理に当たっては、事実関係を正確に把握した上で、法令などに定められた手続きを順守して差し押さえ、公売などの滞納処分を行うとともに、納税の猶予、換価の猶予などの納税緩和措置を講じるなど、納税者個々の実情に即しつつ、法令などに基づき適切に対応する」と述べています。
明らかに全国の民主商工会(民商)のこの間の運動が国税庁を動かしてきています。こうした内容も活用し、大いに「納税の猶予」(国税通則法46条)や「換価の猶予」(国税徴収法151条)などを税務署に認めさせていきましょう。
最近の事例
自殺に追い込まれ…
▽分割納付続けたが
消費税など720万円を滞納した長崎市の工事業者が昨年11月、長崎民商に入会し、「差し押さえをやめよ」と長崎税務署と交渉。1年にわたって分割納付を続けてきたにもかかわらず今年3月、売掛金400万円を全額差し押さえられ、解除の交渉中に自ら命を絶ちました。
▽わずか62万円で
山梨・巨摩峡南民商の会員が資金繰りの都合から消費税1期分約62万円を滞納。甲府税務署は昨年12月、土地建物の差し押さえを強行しました。そのため、2月には新築2件・増改築2件の注文が入っていたにもかかわらず、銀行からの借り入れがストップ。誰にも相談できず行き詰まって自ら命を絶ちました。 |
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