確定申告のワンポイントアドバイス(7)=白色申告と青色申告
所得税の申告には白色申告と青色申告があります。
不動産所得、事業所得または山林所得が生ずべき業務を行う人は一定の帳簿書類を備え付け、税務署長に青色申告の承認申請をし、承認を受けた場合に青色申告することができます。
青色申告の承認を受けると所得金額や税額の計算でさまざまな特典が用意されています。
〈青色申告の特典〉
主な特典には以下のようなものがあります。
(1)機械などを取得した場合の特別償却
新品の事業用機械で1台160万円以上のものを取得した場合に、その取得した年の減価償却費は通常の償却費に加え、取得価額の30%の金額を計上できます。
(2)少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入
事業用減価償却資産で取得価額が10万円以上30万円未満のものについては、その年分の取得価額の合計額が300万円になるまで、その年の必要経費に算入できます。
(3)青色申告特別控除
青色申告者で複式簿記にもとづき貸借対照表を損益計算書とともに作成しているときは必要経費とは別に65万円を所得金額から控除することができます(ただし事業所得または事業的規模の不動産所得がある場合で、かつ期限内申告が要件となります)。
貸借対照表が作成できない場合でも簡易な帳簿を備え付けている場合は10万円が控除できます。
(4)青色事業専従者給与の必要経費算入
青色事業専従者とは青色申告者が営む事業に専従する(年を通じて6カ月以上事業に従事している状態)生計一の親族のことです。
この青色事業専従者に対して、あらかじめ届け出た金額の範囲内で支払う給与を必要経費に算入できます。
白色申告の場合には一定額の事業専従者控除が認められています。
(5)純損失の繰越控除や繰戻還付ができます。
(6)更正の理由付記や制限規定があります。国税通則法の改正により平成25年以降、白色申告者に対する処分についても、理由が付記されることになりました(ただし記帳義務が要件)。
〈承認の申請〉
以上のような青色申告の特典を受けようとすれば、青色申告の承認を受けなければなりません。
新規開業の場合は業務を開始した日から2カ月以内、それ以外は承認を受けようとする年の3月15日までに(26年分は26年3月17日まで)承認申請書を提出しなければなりません。そして、その提出した年の年末までに却下の通知がなければ承認したとみなされます。
ご自身の記帳レベルをよく考慮し選択しましょう。
全国商工新聞(2014年2月3日付) |